稲田防衛相が辞任表明(全文1)「防衛大臣としての職を辞する」
防衛省・自衛隊の情報公開への姿勢に疑念を抱かせた
本件監察の経過において、私自身に関わる報道がありました。特別防衛監察の結果によれば、日報データの存在は事務次官まで報告されたものの、管理状況が不明確であるため、私には報告する必要はない旨の判断が示されたとされております。報道においては私自身に日報が陸自に存在するとの報告がなされ、それを非公表とすることを私が了承したというものがございました。私自身、そのような事実はないと否定してきましたが、特別防衛監察において、日報データの存在についてなんらかの発言があった可能性は否定できないものの、書面を用いた報告がなされた事実や、非公表の了解を求める報告がなされた事実はなかった。また私より公表の是非に関するなんらかの方針の決定や了承がなされた事実もなかったと認定されております。 私自身、報告を受けたという認識は今でもなく、私のこれまでの一貫した情報公開への姿勢に照らせば、そうした報告があれば必ず公表するように指導を行ったはずですが、監察の結果は率直に受け入れます。 また大臣室において私に日報のデータが存在するとの報告が行われたとのメモが存在するという報道もありました。しかしながら私がそれまでに受けていた南スーダン派遣施設隊の作成した日報は上級部隊である中央即応集団司令部に報告され、用済み後、破棄されていたとの報告を覆す内容の報告は一切なかったと承知しております。その時点ではすでに事務次官に対し、しっかりと事実関係を確認するように指示をしておりましたが、その報告があるまでは、それまでに受けていた報告に基づいて国会において答弁していたところでございます。 現在、厳しい安全保障環境の下、隊員がそれぞれの現場において24時間365日、懸命に任務を全うしています。こうした状況において日報をめぐる一連の問題は単に陸自の情報公開への対応が不適切であったことのみならず、国民の皆さまに防衛省・自衛隊の情報公開に対する姿勢について疑念を抱かせ、内部からの情報流出をにおわせる報道が相次ぐことにより、防衛省・自衛隊のガバナンスについても信頼を損ないかねない印象を与え、結果として国内外のそれぞれの現場で日々、任務に当たる隊員の士気を低下させかねないという点で、極めて重大かつ深刻なものであると考えております。 私は防衛省・自衛隊を指揮監督する防衛大臣として、その責任を痛感しており、1か月分の給与を返納することといたしました。さらにその上で防衛大臣としての職を辞することといたしました。先ほど総理に辞表を提出し、了承されたところでございます。