岡山天音の意外な自己管理術「パフェには幸せが詰まっている」
幸せか不幸か……僕にはわからない
――他者からどう思われてもストイックにお笑いと向き合うツチヤに対して、周囲の人が「羨ましい」と言うシーンがあります。命を燃やしながらのめり込める対象を見つけたツチヤは幸せ者だと思いますか? 岡山 難しいですね。これだけ好きなものに出会えたという側面だけを見れば幸せですよね。一方で、その好きなものが原因となり、自分で自分を刺しているようなところがあるので、不幸せとも言える。見る角度によって印象が変わるものなので、答えは僕にもわからないです。 ――日常生活を犠牲にしながら仕事に打ち込むことで急成長できる時期もあるかもしれませんが、そのスタンスには限界があることも事実です。仕事と私生活の線引きについて、岡山さんはルールを設けていますか? 岡山 俳優の仕事って、仕事もプライベートも地続きな部分があると思っています。休日に友達と遊んでいるときでも、どこかで自分の感情を客観視しているところがあって、それを撮影中に取り出して使っている瞬間もあるので。だから線引きは意識していないし、それがストレスになっているわけでもないのですが、ベッドルームには台本を持ち込むことはないですね。セリフを覚えながらベッドに入ると寝つきが悪いので(笑)。
自分の演技を省みる作業には惜しみなく時間を費やした
――自分自身のエゴとはどのように向き合っていますか? 監督がOKを出しても自分がダメだと思ったらリテイクを申し出ることも? 岡山 いや、僕は「もう1回やっていいですか?」と言ったことがほぼないですね。心配なときに「今ので大丈夫ですかね?」と確認しにいくことはありますが、自分のプランを突き通したいエゴみたいなものはないんです。でも、家に帰って自分の演技にダメ出しすることはあります。それこそツチヤのように研究ノートを持っていて、その日にあったことを書き綴って、自分なりに課題点を挙げて改善策を考える。その作業には惜しみなく時間を費やしてきたつもりです。 ――ツチヤは「人間関係不得意」であることを自覚していて、岡山さんも過去のインタビューでは人見知りであることを語っていましたが、その部分でもツチヤに共感できますか? 岡山 僕自身、今でも「人間関係不得意」だと思っていますし、そこもツチヤと近い部分だと思います。きっと相手のことを慮らずに言わなくてもいいことを言ってしまった瞬間もあるだろうし、昔はなかなか自分自身を認められていなかったので、バリアを張っていた時期もあったかもしれません。でも、だんだん自分だからできるような役割も見えてきて、コンプレックスだったことを受け入れられるようになってからは、周りの人ともフラットに接することができるようになった気がします。