森保J、新システム3バックは継続すべき? あくまで「オプション」か…“最適解”を考察【コラム】
3バックと4バックの可変がさらにスムーズになれば軸になる可能性も
一方で、後半からはミャンマー戦でフル出場していた中村を下げて、DF伊藤洋輝を投入。4バックに変更したものの、少し組み立てに苦戦していた。ボールを持ちつつも、リードしていたこともあり、スローテンポで攻めて行った。そのなかでも2ゴール奪ったことはプラスに捉えられる。 冨安は「前半のほうがやりやすさはあったと思う。後半は立ち位置のところが有効じゃなかった」と3バックに手応えを感じていた。では、かなり攻撃的で2試合通して8ゴールを奪った3-4-2-1を基本システムとすべきなのか。 これに関して答えは「ノー」だろう。あくまで攻撃な3バックはオプションであり、基本は従来の4-2-3-1または4-3-3になる。やはりW杯で勝利するためには、堅守は捨てられない。とはいえ、1点が必要となった時の“一手”としてこのオプションが発動するのは効果的だ。特にカタールW杯ではほぼぶっつけ本番だったサプライズシステムを、自分たちのものにすべく、2試合も経験を積めたことは本当に大きく、こんな機会はほとんどない。 とはいえ、今回はミャンマーとシリアという相手だった。最終予選クラスでも畳みかけることが出来るか継続して見極めたいところ。MF伊東純也やMF三笘薫が加われば、より「槍」として期待できるし、中村、堂安のウイングバックも絶妙なポジショニングとハードワークで厚みを出していた。ただ、最終予選で3バックと4バックの可変がさらにスムーズになれば、森保ジャパンの軸になっていく可能性もある。 3バックの組み合わせも、冨安&板倉に伊藤洋輝でも試したい。いずれも、W杯に向けて今後も高めていく必要がある。ちょうどこの日が北中米W杯開幕まで2年という節目の日だった。パリ五輪組もA代表入りを狙うなかで、2年での伸びしろを最大限にする。世界の壁を越えられるのか――。トップクラスで戦う選手たちとともに新たなオプションも作り上げて行かなければならない。
FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi