1日5食。渡利が12kg増量を乗り越え五輪枠獲得!
五輪出場権を獲得したあと、渡利が郷里の島根から名古屋の至学館高校へ進学するきっかけとなった憧れの先輩、吉田沙保里からもお祝いのメッセージが届いた。吉田はTwitterでも「りおー、おめでとう 一緒にオリンピック行けるー 最後まで頑張れー」と呼びかけている。 渡利の名前は璃穏(りお)。両親が「心の穏やかな子に育ちますように」と願ってつけた名前は、偶然にもリオデジャネイロを連想させる。そのためか、至学館高校に入学して以来、栄監督を始め周囲の人たちから「リオデジャネイロ五輪は璃穏のためのオリンピック」と言われ続けた。 「私のための五輪だという思いもあります。覚悟をきめて決断したけれど、いろんな不安がたくさん、つらかったこともありました。今日は大きな選手を相手に3試合して、かなり疲れて力のなさを感じています。相手のパワーに負けない体をつくりたい。体重も最低限、72、73kgで試合に挑める体にしたいですね」 このあと、日本の女子75kg級代表は合宿を通じて強化委員会の協議により決定される。増量に骨折と、悩みもつきない。にもかかわらず、渡利の表情はアジア大会で金メダルをとった63kg級のときより自信に満ち、晴れやかにさえ見える。 「ここまでこられたのは奇跡なのかなと思う。次はオリンピックで絶対にメダルをとるという気持ちで、もう一度、奇跡を起こせるように頑張りたいと思います」 五輪アジア予選は、最終日20日を残すのみとなった。ロンドン五輪出場のグレコ98kg級の齋川哲克らが出場する。2日目は五輪出場権利を追加できなかった日本男子の奮起に期待したい。 (文責・横森綾/フリーライター)