夢のようなシングルエンジンを搭載!【ドゥカティ ハイパーモタード698モノ】レースで常勝するドゥカティDNAを投入した市販最強シングルスポーツ!
とことんレーシーなスペックだが、扱いやすさも考慮
1970年代までは単気筒バイクを市販化していたドゥカティだが、その後はLツインエンジンにシフトし、近年はV4エンジンも手掛けている。そんなドゥカティの新しいエンジンラインナップに2024年からシングルエンジンが加わるのである。 僕は、こんなエンジンの登場を長年待ち侘びていたドゥカティファンの1人。そしてスーパークアドロモノは、ドゥカティの伝説のレーサーであるスーパーモノを彷彿させる。スーパーモノは1992年のケルンショーで発表され、1993年から限られたレーシングショップに供給されたドゥカティの市販レーサー。エンジンは、当時のスーパーバイクである851系エンジンの後ろシリンダーを廃した独特の設計で、シングルレースで速さを発揮。何度も市販化が期待されたが、一般のライダーの手に渡ることはなかった幻のマシンである。 スーパークアドロモノもLツインエンジンをベースとする発想はスーパーモノと似ていて、ベースは1199や1299パニガーレのLツイン。そのエンジン形状から前バンクを廃し、後ろバンクを使っているのがわかる。クランクケースが大きく見えるのは大きなバランサーが2本入っているからで、そのバランサーを介してオイルポンプやウォーターポンプを駆動。その思想はどこまでも合理的だ。 ハイスペックだが、一般のライダーや一般道での扱いやすさも考慮。中身はとてもレーシーだが、バルブクリアランスの点検は3万km毎と長い。ドゥカティファミリーへのエントリーモデルとの発表もあり、ハイスペックに目が行くがかなり守備範囲の広いエンジンなのだろう。
スーパークアドロモノを最初に搭載したハイパーモタード698モノ
ハイパーモタード698モノのプロモーションビデオは、まるでバイクでダンスをしているような感じだった。ウィリー、スライド、肘擦り……もちろんプロライダーによる曲芸でもあるが、その動きはとても軽く、自由だ。 スーパークアドロモノは楕円パイプのトレリスフレームに搭載。エンジンを車体の剛体と考えるドゥカティらしい思想で、設計はとてもシンプルで合理的。燃料を除いた重量は151kgと軽量で、電子制御も充実している。 ハイパーモタード698モノは、698モノRVEと698モノの2バリエーションが用意され、RVEは派手なグラフィックとアップ&ダウン対応のクイックシフトを標準装備する。 日本では5月末に試乗会が開催される予定。φ116mmの超大径ピストンが、デスモドローミックによって1万250rpmまで回る世界を想像するだけでワクワクする。
ドゥカティ ハイパーモタード698モノRVE&ハイパーモタード698モノ [2024]主要諸元
・ホイールベース:1443mm ・車重(燃料含まず):151kg ・エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒659cc ・最高出力:77.5PS/9750rpm ・最大トルク:6.4kgf・m/8000rpm ・燃料タンク容量:12L ・変速機:6速リターン ・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク ・タイヤ:F=120/70-17、R=160/60-17 ・価格:182万円(170万円) ()内はハイパーモタード698モノ
小川勤
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