「決して仲間を見捨てない」防衛大で学んだ無敵のチームマネジメント
■ルールを破ったら不信しか生まれない
とはいえ、企業と防衛大では環境が違いすぎます。私がコンサルタントとして企業にはいるとき、最初に、絶対に守らなければならないルールを作ることから始めます。時間を守る、大きな声で挨拶をするという当たり前のルールなのですが、時間を守るという当たり前の基準が相当高いことが多いです。 ルールが守れなかったときは、大声をあげはしませんが、厳しい言葉で指導し、ときには怒ります。もっとも最初に「ルールを破ったときは、社長に対しても厳しい言葉が飛びますが、いいですか?」と約束をとりつけますが。 チームで仕事をするとき、その場所の空気や環境は大事です。ルールが破られたままで、プロジェクトを続けることはできません。ルールを破ったら不信しか生まれないからです。「リーダーを信頼できるか信頼できないか」そこに尽きるでしょう。
防衛大では、上級生が下級生を“しばいて”指導することもありましたが、良いリーダーは、指導にあたる下級生をしばきもするけど、自分自身が責任をとっていました。“しばく”ことだけで人は動かきません。 ダメなリーダーは、結果をみて「だめだ」と言ってしばきます。しかし、尊敬できるリーダーは、どこが弱いかを知っていて、「筋トレをやれとか、パワーが少ないから食事をとれ」とプロセスにしばきを入れるんです。 私は懸垂が苦手で、大層しばかれました。しかし、上級生は「お前が懸垂ができないうちは、俺は隣で懸垂をしていよう」と言って、ずっと懸垂をしているんですよ。 企業であっても、リーダーが自分自身を部下よりも辛い状態に身を置き、部下を見捨てず一緒に責任をとるということは、人をついてこさせるうえで、何よりも大事なことです。 ---------- 濱潟好古(はまがた・よしふる) チームマネジメント・人材育成コンサルタント。株式会社ネクストミッション代表取締役。1982年福岡県生まれ。防衛大学校卒業後、IT系ベンチャー企業に営業職として入社。防衛大時代に学んだ経験を基に、独自に構築した「最強の仕事」術を活用し、入社2年目から入社5年目まで売上No.1営業マン。