第93回選抜高校野球 広島新庄、劇的サヨナラ 2投手躍動、2年分の歓喜 /広島
<センバツ2021> 第93回選抜高校野球大会第4日の23日、広島新庄は上田西(長野)と対戦。互いに譲らない投手戦は延長にもつれ込み、先発して好投した花田侑樹投手(3年)が延長十二回、右越えサヨナラ二塁打を放つ投打の活躍で1-0で勝利した。広島新庄のセンバツ勝利は第86回大会(2014年)以来7年ぶり。2回戦は大会第8日(27日)の第1試合で智弁学園(奈良)と戦う。【中島昭浩】 21日の雨天で試合日が1日遅れたため、アルプススタンドに駆け付けた生徒や後援会関係者らは当初予定より少ない約500人。応援団は、宮島の伝統工芸品しゃもじやメガホンを打ち鳴らして選手を後押しした。 花田投手の父淳さん(43)はマウンド上の息子の姿をじっと見つめていた。花田投手は昨夏の交流試合前に手首を負傷し、甲子園のグラウンドに立つことはできなかった。 そんな悔しさを吹き飛ばすように、上田西の先頭打者に投げ込んだ初球は144キロの直球。淳さんにも気迫が伝わった。延長十二回にサヨナラ打を放つと目に涙があふれた。「悔しい思いをしたと思うので良かった。よくやったと言いたい」とたたえた。 コロナ禍で昨春の大会が中止となり、悔しい思いをしたOBもスタンドで見守った。今春卒業した伊与田将磨さん(18)は、息詰まる投手戦に「みんな緊張していたと思うが、最後に見事にはね返してくれて感動した」と話し「次の相手は手ごわいけれど、また試合ができることに感謝しながらプレーしてほしい」とエールを送った。 ……………………………………………………………………………………………………… 上田西 000000000000=0 000000000001=1 広島新庄 (延長十二回)