【速報】800床の大学病院開院を「断念」 順天堂大学長が埼玉県知事に計画中止報告 建設費高騰など理由に 大野知事「県民の期待大きく、遺憾」 県とさいたま市誘致 延期繰り返し総事業費2千億円超に
埼玉県さいたま市の美園地区に新病院開院を計画していた順天堂大学の代田浩之学長が29日に県庁を訪れ、大野元裕埼玉県知事に計画中止を報告した。 【地図あり】順天堂大学が新病院建設を計画していた、さいたま市緑区の位置
知事室での懇談は非公開で行われ、県保健医療政策課によると、代田学長は「学内を挙げて検討したが、建設費の高騰、医療機関を取り巻く状況変化があって、実現に持っていくことは困難となった」と述べたという。 代田学長は報道陣の取材に対し、「新病院の計画を断念するとお伝えに参った。これまでご支援いただいた県の皆様、さいたま市の皆様、ご期待をいただいた埼玉県民の皆様に大変申し訳なく思っている」と話した。 大野知事は「報告に対しては、800床の大学病院開院への県民の期待は大きく、大変残念な中止であると申し上げた。大学側の申し出に期限を延期するなどの措置を行ってきた上で、この報告は大変遺憾であると申し上げた」と述べた。 ■2015年に当初計画提出も延期繰り返す 総事業費2000億円超に拡大 同病院は埼玉県やさいたま市の誘致により2015年に当初計画が提出されてから、延期など計画変更が繰り返されていた。 〈再掲〉変更申請は12月2日まで 順天堂大学の新病院で県(11月20日報道) 大野元裕知事は11月19日の定例会見で、さいたま市の美園地区に新病院の開院を計画する順天堂大学に対し、病院整備計画の変更申請の提出期限を12月2日に設定したことを明らかにした。大野知事は「現時点では約束通り竣工(しゅんこう)することになっている。仮に延期するにしても、早期開院への思いを持っているとすれば、早期に申請書を出す必要が出てくる」と、提出の遅れが開院の遅れにつながるとの見方を示した。
7月31日にメールで、8月1日に文書で順天堂大学の小川秀興理事長から大野知事宛てに届いた通知では、実施設計者が大学に提示した2186億円の総事業費と2027年11月予定の開院を20カ月延期する工期の資料とともに、「事業計画の見直しが必要との結論に至った」と、申し出に理解を求める内容が示された。