勇気、笑顔に、消しゴム? 出会いの春、球界〝コミュ力おばけ〟に聞く人見知り解消法 プロ野球通信
進級、進学、就職、部署異動と、春は門出の季節だ。新たな出会いに心を躍らせる半面、初対面の人とのコミュニケーションに不安を覚える人も多いのではないだろうか。良好な人間関係づくりに、会話は必要不可欠。プロ野球取材の合間に、コミュニケーション能力の高い球界の〝コミュ力おばけ〟たちに、人付き合いのコツを聞いた。 【写真】昨季のオールスターでDeNAのバウアーと話す巨人の戸郷 「もう話すしかないですね。会話をしないことには相手の性格も自分のこともわからない」と話すのは、24歳の若さで巨人の投手陣を引っ張る戸郷翔征(しょうせい)投手。「実は結構人見知りタイプ」という右腕は、まず相手との共通点を探るという。「好きな歌手とか趣味とか、相手の興味がありそうなことが分かれば声をかけやすいですよね。まずは『出身どこですか』から入って、会話を広げて、共通点があれば最高。自分たちは野球という共通の話題があるから何も浮かばないときは野球の話を聞いたりします。特に先輩方は見ている点が全然違うし、いろんな気づきをくれますね」。 X(旧ツイッター)を駆使した日本代表「侍ジャパン」の広報活動でおなじみのDeNA山崎康晃投手は、「まずは笑顔が大事」と話しかけやすい雰囲気作りをした上で、「何事も怖がらずに、積極的に前に出ることが大切」と自分からきっかけを作るようにしているという。 適切な距離感を探すため、受け入れる側の姿勢にも着目する。参考にしているのは、帝京高校時代のクラスメートで「カリスマホスト」として知られるローランドさんの言葉だという。「なんでもかんでも自分が前に出ると、後輩が萎縮しちゃうこともある。バランスを見て、若手に役割を任せたりします。責任が持てない人に仕事を任すと、意外に成長するってローランドが言ってましたしね。この人は話を聞いてほしい人、この人はちょっと繊細な人とか、相手に寄り添いながら、いい距離感を保ちながらやってます」。 ■「天性」と「技」 「コミュニケーションは天性もあるけど、実は技」。将来のために心理学を勉強したことがあるというDeNAの上茶谷大河投手は、そう断言する。