気迫の空手形を披露 東京五輪銀メダリストの清水さんが中学校で夢教室【宇部】
2021年の東京五輪空手女子形の銀メダリスト、清水希容さん(30)が8日、宇部市内の2中学校を訪れた。午前は黒石(西村隆一校長)で講演。全校生徒444人は武道の心得を学ぶとともに、世界的なトップアスリートとの触れ合いに目を輝かせた。 市スポーツコミッション(長谷亮佑会長)が市から受託した「子どもスポーツ夢教室」の特別版。夢を持つ素晴らしさを伝え、スポーツへの関心と意欲の向上を図る目的で17年度から実施している。 清水さんは、1歳違いの兄の影響で小学3年の時に空手を始め、全日本選手権を13年の初優勝を皮切りに7連覇。14、16年の世界選手権でも連覇を果たした。正確で流れるような美しい演武を持ち味に長く日本女子のエースとして活躍し、5月に現役引退を発表した。 講演では東京五輪にたどり着くまでの歩みを振り返り、開催が1年延期された間、コロナ禍で指導者と直接会えず、リモートで稽古をしていたエピソードを紹介。結果(2位)には「悔しさしかなかった」というが、大会直後に多くの人から「ありがとう、感動したよ」と連絡があり「五輪を通じて、スポーツには勝敗だけではない価値があると気付かされた」と述べた。 デモンストレーションでは、沖縄発祥の形「オヤドマリノパッサイ」を披露。静寂の中、気合の声と鋭い呼吸音が会場に響き渡り、切れのある技と気迫あふれる表情で、生徒たちの視線を一気に引き寄せていた。空手経験者の小山朝太郎君(3年)ら4人と一緒に登壇し、突き、蹴りなどの実技指導も行った。 幡生陽葉里(ひより)さん(2年)は「形の第一人者として世界のトップで戦ってきた清水さんの言葉一つ一つに重みがあった。今後の人生で困難があっても、きょうの話を思い出して何事にも一生懸命取り組みたい」と感想を語った。 同日の午後には厚南(藤本秀則校長、403人)でも教室があった。