EVオーナーの92%が「エンジン車」にもう戻らないワケ! 「世界2万3000人調査」で明らかになった満足度&課題とは?
EV購入理由のトップ3
リポートによると、EV購入の理由として最も多かったのは「維持コストの安さ」、次いで「環境への優しさ」、そして「地域環境への好影響や騒音の低減」の順となっている。さらに、環境問題に関心があるかどうかに関わらず、回答者の90%が 「気候変動は大きな問題である」 と認識している点が興味深い。 「EVに乗っていて何が不都合を経験しましたか」という質問には、最も多くの回答者が「特にない」と答えた。しかし、次点として ・急速充電スタンドの少なさ ・充電時間の長さ ・充電器の不具合の多さ が挙げられた。充電場所については、自宅が72%を占め、 ・急速充電スタンド:13% ・公共充電スタンド:7% ・勤務先:7% ・私設充電場所:1% と報告されている。また、「EVで長距離旅行をするには、ガソリン車やディーゼル車よりも計画が必要」との質問に対して、ブラジル、インド、コスタリカ、ポルトガルの参加者は明確に同意しており、他の国々でも程度の差はあるものの、すべての国で同様の意見が示された。
充電の不安とその実態
「航続距離への不安を頻繁に感じる」という意見には、はっきりと同意する意見は少ないが、インド、ブラジル、コスタリカ、ポルトガルなどでは若干の懸念が見られる。 「長い旅行時に充電が心配になる」という意見については、ブラジルとインドは明確に同意している一方で、ドイツでは同意しない結果となった。 「充電ステーションで行列に並んだことがありますか」という質問に対して、回答は「ない」が28%、「まれにある」が40%、「時々ある」が18%、「よくある」が3%、「いつも」が1%、「充電スタンドを利用していない」が10%という結果となった。 故障している充電ステーションに遭遇した経験については、「ない」が20%、「まれにある」が37%、「時々ある」が27%、「よくある」が5%、「いつも」は0%、「充電スタンドを利用していない」が10%という結果が出た。 充電スタンドでカードを使えるようにすべきかという質問には、「強く賛成」が53%、「賛成」が28%、「どちらでもない」が10%、「反対」が4%、「強く反対」が3%、「わからない」が2%という意見が集まった。 「運転前に充電する場所を確認しておく」という意見には、 ・強く同意:30% ・同意:47% ・どちらでもない:10% ・不同意:7% ・強く不同意:3% ・わからない:4% という結果が示された。
EV市場成長には利便性向上
EVは多くのユーザーにとって、もはや欠かせない存在となっている。しかし、充電インフラには依然として改善の余地があり、リポートではその必要性が指摘されている。 現在、ほとんどのEVドライバーは自宅で充電しているが、利便性の高い充電ソリューションの開発がEV市場の成長にとって重要な要素であることは明白だ。 それでも、EVシフトは確実に進行中であり、少しずつではあるが着実に進展していることが今回のレポートで示された。
仲田しんじ(研究論文ウォッチャー)