「タイミー」上場後初の決算で株価が大幅下落のナゼ、メルカリ参入の影響は?新たに浮上した課題も
タイミーの直近のバランスシートを見ると、売掛金27億円に対し、立替金はその3倍強の84.4億円。立て替えに必要な運転資金は、主にメガバンクのローンで対応しており、1年以内に返済が必要な短期借入金は84億円に上る。 好調な業績を支えたのは、アクティブアカウント数(月に1度以上求人を出した事業所数)の増加だ。2024年4月末時点で登録クライアント事業所数は25.4万拠点、登録ワーカー数は770万人だったが、9月9日時点ではそれぞれ29.7万拠点、900万人へ増加した。
クライアントの属性は物流、小売り、飲食が9割を占めるが、「(サービス展開先が)全国、また多様な業種に広がっている」(小川代表)と、エリアと業種の拡大が効いた格好だ。 ■メルカリ参入の影響 スポットワーク市場は、今年3月にメルカリが「メルカリ ハロ」で参入、パーソルホールディングスのシェアフルも機能やマーケティング強化で攻勢をかけているが、小川代表は「ダメージを受けておらず、ディスカウントしなければならない状況ではない。競合環境が激化する中でも高いエンゲージメントを築けている」と強気の姿勢を崩さない。
強固なプラットフォームを構築できている要因として、主に2つが上げられる。 1つ目はコアワーカー(月8回以上就業する既存ワーカー)の拡大だ。ワーカー数自体の増加もさることながら、2018年8月のサービス開始時は23%に過ぎなかったコアワーカー率は、この第3四半期に55%まで上昇した。 複数回の稼働ボーナスやアプリのプッシュ通知といった稼働促進策や、可処分時間が長いワーカーをターゲットにしたテレビCMやデジタル広告を打った。「しっかりと人が集まり、稼働率が高いことが1番強い」(小川代表)と、高頻度で働くワーカーが増え、クライアントのリピート率も高い水準にあることが新興勢にない強みだ。マッチング率(募集人数に対する稼働人数)は86%となっている。