中野信治氏が角田裕毅にエール…レッドブル昇格の道は事実上消滅も、日本人ドライバーにとってより価値の大きなこととは|WEDNESDAY F1 TIME
VCARBのダニエル・リカルドは、2023年途中からアルファタウリ(前身)のドライバーとなった。オーストラリア人ドライバーはレッドブルへの再昇格を目標と公言していただけに、MCのサッシャ氏は“敗者はリカルドですよね。VCARBに乗って実力を示さなければいけなかったのが、少なくともチェコ(ペレス)との入れ替えはなかった”と述べ、中野氏は次のように返答している。 「何をもって勝者と敗者を決めるのかって難しいんですけれども、実際のところリカルドの結果を見ていると、正直昇格は難しいと思いますし、ペレスが(引き続きレッドブルに)乗る、乗らないは全く別にして、あんまり(リカルドの出来は)関係ない部分なのかなとそこは思います」 サッシャ氏はここで角田裕毅の話題について“そしてもう一つ。私たちとしては角田のトップチーム昇格っていうのを、やっぱりF1に来た時から期待してたわけですけど、それもひとまず2年はないということになるわけですよね。2年後ってもう新レギュレーション(2026年~)になって、ホンダはレッドブルグループから離れるという時期まで、ペレスは契約をしたことになるわけですけど、これ角田選手に関してはどう思いますか”と振ると、中野氏はこう返した。 「裕毅個人として、どのようなこう考えだったのかっていうのが、公言をしていたのはやっぱりレッドブルだとコメントで聞いていたりはしていたんですけれども。私の個人的な見方でいうと、もちろんレッドブルに昇格するということも、もちろん一つ大きな目標というか、ドライバーとしてはそこで走るということ大きいと思うんですけれども、それだけではなくて」
「ドライバーとしてここまで裕毅のやってきたことが評価される、そしてこの先につながっていくということを考えると、そういった意味ではドライバーとして、VCARB以外のチームから“来てほしい”と言ってもらって乗れる方が裕毅にとってはさらに価値のあることなのかなって……私は思いますね。だからレッドブルでなくても全然いいのかなって思います」 「正直、そうやってドライバーとして来てもらって(チーム側が)“お金払いますよ!”ていう形で乗れるドライバーって、今まで(日本人ドライバーで)過去にいなかったと思う。純粋にドライバーとして呼ばれて、お金をもらってというのがなかなかいなくて」 中野氏は「そのドライバーの先駆けというか、それが当たり前になるきっかけを裕毅が作ってくれると嬉しい。(角田の走りは)評価されるべきだと思いますし、そういう流れを作ってくれると、私は個人的に嬉しい」と続けた。角田はVCARBに限らず、結果を示して他チームから引き抜かれる存在になってほしいと説いている。 来季以降のシート動向が、早くも大きく動いている今季のF1。角田はレッドブル昇格を絶たれるもVCARBに残留となるのか、それとも異なるグループでの挑戦へと踏み切るのか、現時点で去就は不透明だ。それでも中野氏は角田について、日本人F1ドライバーとして新たな1ページを開く存在になるのではないかと、大きな期待を寄せている。