都立の強豪・葛飾野が完勝!エースがOBの助言で“神宮の魔物”を退ける完封勝利!【24年夏の東東京大会】
<第106回全国高校野球選手権大会東東京大会:都立葛飾野 16-0 都立産業技術高専>◇0日◇2回戦◇明治神宮野球場 【トーナメント表】夏の東東京大会 ここまでの結果一覧 都立葛飾野はグラウンドも広い、都立の強豪校だ。 初戦の相手である都立産業技術高専とは力の差がある。ただし決して楽観できない問題があった。試合会場の神宮球場は、プロ野球の本拠地としても使われるため、他の球場とは雰囲気が違うのだ。マウンドの硬さも含め、球場の雰囲気に押され、力んだり、緊張したりする選手が例年少なからずいる。 都立葛飾野は2年前、シード校の修徳を破り5回戦に進出する快進撃を繰り広げた。しかしその代さえも神宮球場で行われた初戦は、緊張して浮足立ったという。その時のエース・北川 准はいま大学生だが、コーチとして後輩の指導もしている。そして現在のエース・高玉 龍投手(3年)に「初戦はなかなか自分の思ったようなピッチングはできない」という体験談を話していた。この体験談がいいアドバイスとなり、「心の準備ができました」と高玉は言う。 準備万端だったエースの高玉は、立ち上がりから落ち着いた投球をし、1回表を三者連続三振に抑えた。その裏葛飾野は、1番・清原 遥介内野手(3年)がライトオーバーの三塁打。右翼手がもたつく間に一気に本塁を突いて1点を先制した。続く2番の大槻 亮太内野手(3年)も三塁打と捕逸で生還。これで試合の流れはほぼ決まった。 高玉は2回表も奪三振2の三者凡退。力のある球で2イニングを奪三振5、1人の走者も出さなかった。3回以降は3人の投手をつなぎ被安打1の無失点。打線も手を緩めずしっかり攻撃して16点を挙げて5回コールドの16―0で初戦を飾った。 葛飾野は3回戦で大東文化一と都立小山台の勝者と対戦する。どちらが勝ち上がるか分からないが、小山台は才野 秀樹監督の前任校。昨年の夏も対戦し、1-3で敗れている。この1年の間にも3回練習試合をして2敗1分けの成績だという。どちらが勝ち上がったとしても「思い切ってぶつかるだけです」と才野監督は言う。エースの高玉も、「自分たちの野球をやるだけです」と語る。頼れる先輩のアドバイスを受けながら、チームは力を付けていく。