マンハッタン「渋滞税」スタート、乗用車1400円・タクシー料金は上乗せ
【ニューヨーク=山本貴徳】米ニューヨーク・マンハッタン中心部に乗り入れる車などを対象とした「渋滞税」の徴収が5日に始まった。渋滞緩和と大気汚染の改善が狙いで、収入は地下鉄駅の改修や電気自動車(EV)バスの導入などに充てる。 【写真】多くの車が連なるニューヨーク・マンハッタン
米国では初の導入で、対象地域には、繁華街のタイムズスクエアや金融機関が集まるウォール街などが含まれる。チェックポイントにカメラなどが設置され、通過すると専用機器などで課金される。通行料金は乗用車が1日あたり9ドル(約1400円)で、対象地域でタクシーを利用した場合は、乗車料金に0・75ドルが上乗せされる。
ニューヨーク交通公社によると、渋滞税は英国のロンドンやスウェーデンのストックホルム、シンガポールなどでも導入されているという。マンハッタン中心部の車の平均時速は11キロ・メートルほどで、米国で渋滞が最もひどいと言われる。渋滞税によって、流入する車の台数は2割近く減ると試算されている。
渋滞税については、隣接するニュージャージー州などが反対し、ニューヨーク州は昨年6月に導入を延期した。その後、乗用車の料金を当初計画していた15ドルから9ドルに下げ、改めて導入を発表した。