「今年のような夏が数十年後は普通になる」「北海道にも梅雨の季節到来」気象研究者・立花義裕が将来の気候変動を予測
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」レギュラーコメンテーターの玉川徹とフリーアナウンサーの原千晶がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「ラジオのタマカワ」。「テレビではまだ出せていない玉川徹の新たな一面を発信!!」をコンセプトに、ビジネス、キャリア、マネー、カルチャー、エンタメ、音楽など、さまざまなジャンルをテレビとは違った角度から玉川が深掘りしていきます。 今回の放送では、気象研究者の立花義裕(たちばな・よしひろ)さんがゲストに登場。将来予想される気候変動について伺いました。
◆冬は寒さが厳しくなる?
玉川:これからの夏はどうなりますか? 立花:今年のような夏が数十年後は普通になります。 玉川:これだけ暑くてゲリラ雷雨になるのが普通になると。猛暑日の日数も増えている感じがしますけど、これも増えていくんですか? 立花:増えますね。 玉川:これ以上増えたら1年の半分以上は夏ってことになりません? 立花:猛暑日が増えるということは夏日が増えますし、夏は非常に長くなりますね。僕はよく四季の国が“二季の国”になると言っています。春と秋が短くて冬はちゃんとあります。 玉川:冬はちゃんと寒くなるのはなぜですか? 立花:冬は偏西風が日本に寒気を運ぶからです。北極の寒気は本来カーテンで囲われたように閉じているのですが、カーテンが開かれてしまって、中緯度の日本やアメリカに寒気が入り、北極には暖気が入る。その状況を「極渦(きょくうず)崩壊」と呼んでいます。 玉川:極渦とは何ですか? 立花:北極や南極で起こっている、寒気を閉じ込める大きな渦巻きです。北極の寒気はシベリアを経由して日本にも来やすいんですよね。もちろん、平均気温は上がるから平均的には暖かいです。ですが、たまにくる極渦崩壊によって、日本とアメリカにどかんと寒波が来て、大雪が降ります。すでに近年は降っていますよね。
◆北海道にも梅雨のシーズンが生まれる!?
玉川:僕は将来、北海道に住みたいと思っているんです。なぜかというと、夏が涼しいからです。冬は寒いけど今ならギリギリ我慢できるぐらいなんですよね。今後、北海道はどうなりますか? 立花:氷点下自体は変わらないと思いますが、日本周辺の水温が高いので水蒸気が増えますから雪が増えます。 玉川:梅雨がないことが北海道を好きな理由のうちの1つなんですが、夏がさらに暑くなるとのことで、北海道はどうなりますか? 立花:残念ながら、北海道にもこれからは梅雨のような天気になる季節ができると思いますね。 玉川:そうなんですか! 立花:梅雨前線は6月から7月、本州に横たわりますけども、だんだんと北に上がり弱まっていって夏になっていくんですね。北海道付近まで上がってくるんですけども、それまでには弱くなっているんです。 なぜ北海道まで来て弱まるかといいますと、北海道周辺の海面水温が低いからなんです。水温が低いと梅雨前線に水蒸気を供給しないので雨はあまり降らない、というのが過去の梅雨です。ですけども、これからの梅雨は北海道付近の海も水温が高くなっているので、弱まってはいますけども雨が降る雲が漂うことになります。 玉川:北海道でも梅雨が生まれるんですね。何月ぐらいですか? 立花:本州の梅雨が終わった頃になると思います。 (TOKYO FM「ラジオのタマカワ」放送より)