高岡市営バスのラッピング 急きょ4案全て採用 角田市長「デザイン優れ、絞り込み困難」
●富大生が提案 高岡市福岡地域を走る市公営バスのデザイン最終選考会は29日、市役所で開かれた。当初は富大芸術文化学部の学生14人が提案した四つのラッピング案を一つに絞り込む予定だったが、審査に当たった角田悠紀市長がいずれも優れたデザインであり、一つだけを選ぶことが難しいと判断し、急きょ四つの案全てを採用することが決まった。 学生は今年6月からバスを利用する児童にアンケート調査するなどしてデザインの作成を開始した。福岡地域の特色である鯉(こい)や菅笠(すげがさ)、つくりもんまつり、岸渡川の桜をテーマとした4案を完成させ、狙いや特色について説明した。角田市長と学生を指導した同大の岡本知久講師が別室で審査を行った結果、学生が提案した4案全てを採用することが決まった。 角田市長は全ての案を採用した理由について、「提案いただいた学生の皆さん全員に成功体験を持ってほしいと考えた」と述べ、学生に「一緒に地域を盛り上げよう」と呼び掛けた。 市によると、福岡地域を走行する公営バスは6台あり、4案全てを採用することは可能という。年内にもラッピングを終え、運用を開始したい考えである。 同学部2年の伊藤悠月さん(20)は思わぬ決定に驚いた様子で、「とてもうれしい。私たちがデザインしたバスに地域の子どもが乗って笑顔になるのが楽しみ」と感想を語った。