マーメイドSは重賞のなかでも屈指の「荒れる」レース 今年の高配当の使者はこの2頭
今回はさらに200m距離が延びますが、管理する長谷川浩大調教師は『距離は大丈夫だと思っているので』ときっぱり。重賞参戦にも手応えを感じているようでした。 今週の追い切りでも、前脚がよく上がっていて状態のよさがうかがえました。坂路コースの馬場がよかったとはいえ、ラスト2ハロンを12秒3―11秒9でまとめる優秀な時計をマーク(4ハロンは53秒1)。今の京都の芝は徐々に荒れてきていて、外差しが決まるようになっています。Dコースに替わる今週もその傾向は変わらないと見て、一発への期待が膨らみます」 太田記者が推奨するもう1頭は、ゴールドエクリプス(牝5歳)だ。 「昨年のこのレースでは、準オープンの身で大外から差して4着と見せ場をつくりました。その後も、GIII小倉記念(小倉・芝2000m)で3着と奮闘。続く3勝クラスの大原S(京都・芝1800m)を勝って、オープン馬となりました」 オープン入り後は、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を含めて重賞3戦に出走。14着、12着、8着と今ひとつの成績に終わっている。しかし、「それには明確な理由がある」と太田記者は言う。 「GIの舞台はまだ荷が重かったと思いますが、2走前のGIII小倉大賞典(2月18日/小倉・芝1800m)の12着は、スタートで落馬のあおりを受けてのもの。前走のGII阪神牝馬S(4月6日/阪神・芝1600m)の8着は、苦手な瞬発力勝負となって持ち味を出せませんでした。 しかし、今回はメンバー的に見ても、自在に立ち回れる強みが生かせるはず。調教にまたがった鞍上の幸英明騎手も『すごく乗りやすいですね』と、好感触でした。 もし雨が降ってタフな馬場になれば、なおさら好都合。昨年より斤量は増えますが(51kg→53㎏)、昨年以上の走りを見せても不思議ではありません」 秋の大舞台を目指す熱き牝馬の戦いは、今年も"大荒れ"の予感。その一端を担うのが、ここの挙げた2頭であってもおかしくない。
土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu