「障がい関係なく…」日用品で表現するアートに込めた知的障がいを抱える男性の思い 青森県平川市
RAB青森放送
特集は障がい者芸術世界展で入選を果たした男性です。 ある日用品だけで作られたユニークな作品を紹介します。 七戸町立鷹山宇一記念美術館で開催中の「Art to You!障がい者芸術世界展」。 社会生活で何らかのハンディキャップがある人たちが制作した絵画や工芸など、入選した132点が展示されています。 そのなかのひとつで、使っている素材がユニークなこちらの作品は「コツコツ作り続けてきました!~夢のマイホーム~」。 ★十和田市現代美術館元館長 藤浩志さん 「え?というまず驚きがありますね これ本当に細かく出来ていて、何でできているのかなとよく見ると“つまようじ”なんですね」
なんと材料はすべてつまようじ。 大量のつまようじを木工用ボンドでくっつけて、理想のマイホームを表現しています。 ★十和田市現代美術館元館長 藤浩志さん 「自分の暮らす家みたいな空間を作っているその発想とイメージとその作る時間の楽しみみたいなものを感じてしまう作品ですね」 独特の発想と世界観で審査員の心を引きつけ、今年の障がい者芸術世界展で入選を果たしました。 制作したのは平川市の活動支援施設「おらんど」に通う岩渕喜久さんです。
★岩渕喜久さん 「何気なく作ってみて『良いじゃん』と言われたからそれからどんどん作っていって」 「まさか自分の作品が入選するなんて思っていなくて」 先天性の知的障がいを抱える岩渕さんは小さいころから物作りが好きで、おらんどに通い始めてからつまようじを使った作品を作り続け、はじめての入選を果たしました。
また、岩渕さんがいま力を入れて制作しているのがこの銀色の玉。 なんと材料はアルミホイルだけ。 たくさんのアルミホイルを重ねて丸め、たたいて磨くことできれいな鉄球のような姿になるそうです。 おらんどでは多くの通所者が岩渕さんのような芸術、表現活動に取り組んでいます。 ★社会福祉法人ほほえみ 金子憂花 介護福祉士 「アート活動、表現活動をしているという事業所さんが少ないと聞いてたのでやりたいなと思っている方が」 「こういう作品作り、表現活動をしている所があるんだというのを知っていただけるとうれしいです」 そんなおらんどでは、通所者の表現したものを多くの人に見てもらおうとこれまでに数回作品展を開いています。 先月弘前市で開かれた作品展には、岩渕さんのメタリックボールが展示されていました。 ★訪れた人 「すごいと思います アルミホイルで作られたというのが信じられないです」 「重かったし、すごいです どれくらいの時間かけてやったのかなと」