「ポピュリズム上等」…「トランプは愚かだ」と決めつける「知ったかぶり」エリート層を橋下徹が大批判!
10月27日の総選挙で、日本人は自民党に「ある程度のお仕置き」をするだろうが、政権交代には至らないだろう。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 なぜ、政治とカネであれほどの不信を生んだ自民党が、政権の座から転がり落ちることがないのか。 その理由を、もっともリアルに、もっともロジカルに、もっともドラスティックに解説するのが、維新の創始者・橋下徹氏だ。 選挙が近づくいま、橋下氏の『政権変容論』(講談社刊)を野党と国民が理解して受け入れたら、この国は確実に「良い方向」に変容するだろう。 『政権変容論』連載第50回 ※この記事は選挙公示前(2024年7月19日)に発売された本からの転載です。 『橋下徹「実行力のない政権よりはマシ」…じつは自民党は野党の政策を「丸パクリ」、それでも「圧倒的支持率」を維持し続けるワケ』より続く
ポピュリスト橋本徹
―それは表現を変えると、「ポピュリズム」と呼べなくもないのでは。自らの信念は脇に置き、大衆が望む政策を実現して見せる党のことです。 橋下:それがポピュリズムと言うならば、「ポピュリズム上等」と言いたいですね。ちなみに僕は政治の世界にいた8年間、ずっと「ポピュリスト」と言われ続けてきました。そう評する人に限って、「ポピュリスト=大衆迎合主義=悪」だと決めつけています。 でも民主政治とは本来、国民(大衆)が望む社会を実現することです。もちろん多数派の幸福のために、少数派の不幸を無視していいことにはなりませんが、より多くの人の幸福を目指すのが、民主国家における大原則です。 そうしたときに大衆(国民)の声を聴くことを「ポピュリスト」と断じるのはどうなのか。自分たち(政治家、政治評論家、学者、メディアといったエリート層)こそが、政治の正しい道を知っていて、大衆は無知であると決めつけることになりませんか。僕に言わせれば、そういう決めつけこそが悪です。
「ポピュリズム=悪」ではない
日本は国家による情報統制もなく、国民の教育水準も高い。有権者一人一人がしっかり情報収集をして、考え、投票できる国です。あらゆる情報を開示したうえで、有権者が投票した結果を「ポピュリズム」と断罪するのは、民主主義に対する冒涜に等しい。 かつ、「ポピュリズム」と断じた瞬間に、思考は停止してしまいます。むしろ、考えるべきは、そうした投票を国民がなぜしたのか、その背景にはどんな事情や生活があるのかということです。そこをこそ政治家やメディア、学者たちは徹底的に調べて報じてほしい。 2024年11月に、米国は大統領選を迎えます。トランプが大統領に再選され、「ポピュリズム政治」が復活するのではと騒がれていますが、大切なのはトランプを支持する人々が置かれている状況です。彼らが何に苦悩し、何を切望しているのか、オバマ元大統領やバイデン大統領が解決できなかった社会的課題とは何なのか。 世界中どこに行っても、百パーセント完璧で、国民すべてが幸せというユートピアは存在しません。必ず現行の政治では幸福になれない層は存在し、それによって得をしている人間もいる。そうしたアンバランスを正し、弱い人々の声や願いを聞くために、選挙というシステムが存在しているのです。
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