体操選手の“レオタード問題”「生理中は 不安」「娘に着せたくないという声も」 元五輪代表・杉原愛子の画期的な挑戦
体操をメジャースポーツにしたい
――一人一人が自分の選択で、試合の際に何を着るかを選べたら素敵ですよね。杉原さんは昨年、ご自身の会社「TRyAS(トライアス)」を設立し、「アイタード」ブランドも立ち上げたわけですが、これからどんな展開を考えていますか? 会社を設立した背景には「体操をメジャースポーツにしたい」という想いがあります。 オリンピックに出場すれば注目をしていただけますが、他のスポーツと比べると圧倒的に認知度が低く、国内の大会はあまり知られていません。 今年は、体操の魅力を発信することを目的としたユニット「Jts CheerZ(ジェイティエスチアーズ)」も立ち上げました。世代も活動する場所もさまざまなメンバーが、それぞれの夢に向かって頑張っている姿を伝えると同時に、Jtsでは、体操競技の技術以外の部分――栄養面、コンディションの整え方、音楽の勉強など――の強化や育成を目的としたアカデミックなプログラムも展開できたらと準備を進めているところです。 以前から「体操×エンタメ」の融合を思い描いているのですが、フィギュアスケーターの方がアイス・ショーで活躍されているように、体操競技の技術を観て楽しんでもらえるようなショーを開催したいですね。 ――体操のショー! 想像するだけでとても楽しそうです。 2022年に一度選手の立場から離れたことで、改めて自分は本当に体操が大好きで、この素晴らしさ、楽しさをもっとみんなに知ってほしい! と思いましたし、いろんな方法で伝えていきたいです。 ――杉原さん自身も、Instagramで練習風景などを発信されていますね。ちなみに、体操競技を観るときのポイントはありますか? アクロバティックで難しい技をカンタンにこなす姿ももちろんですが、最も重要なのは「着地」ですね。着地がピタッと決まった瞬間は、選手自身も達成感がありますし、会場も一気に盛り上がります。 逆に、着地後にほんの少し動いてしまっただけでメダルの色が変わってしまうこともあるんです。ぜひ、最後まで目を離さずに観ていただけたらと思います! 杉原愛子(すぎはら・あいこ) 1999年大阪府出身。2015年、日本代表として第6回アジア体操競技選手権大会に出場し、日本女子団体総合で金メダル、個人総合でも金メダルを獲得。 2016年リオデジャネイロ、2021年東京、2大会連続オリンピック出場。2017年10月、モントリオールで開催された世界体操競技選手権大会では個人総合決勝の平均台で披露した「足持ち2回ターン」が、新技「SUGIHARA」と命名された。 2022年に選手として「一区切り」し、第一線から退くことを発表。翌年、全日本体操種目別選手権で1年ぶりに競技復帰し、床で2年ぶりの優勝を果たした。2023年に株式会社TRyASを立ち上げ、体操競技の普及活動や後進の育成にも力を注いでいる。 TRyAS Instagram @aiko_sugihara
河西みのり