鬼塚祥慶が延長戦ラスト2.6秒で決勝弾!“絶対王者”名古屋が町田との死闘を制して6連覇【Fリーグオーシャンカップ2024|試合結果】
5月19日、愛知県の名古屋金城ふ頭アリーナにてFリーグオーシャンカップ2024の決勝、3位決定戦が行われた。
新戦力・関口優志が魂のPKストップ!
決勝に先立って行われたシュライカー大阪と立川アスレティックFCの3位決定戦。決勝には勝ち上がれなかったものの、有終の美を飾りたいところだ。先制は大阪。14分、加藤未渚実がコーナーキックからライナー性のパスを入れると、加藤翼がジャンプしながら触ってゴールに流し込んだ。このまま第1ピリオドは大阪の1点リードで折り返す。 25分、立川は右サイド・中村充のパスから酒井遼太郎がファーで詰めて同点に。だが、大阪は28分に1点目を決めた加藤翼が、今度はコーナーキックをダイレクトボレーで突き刺す。立川は30分、中村がドリブルの仕掛けからファーの大澤将士にラストパス。ボルクバレット北九州から加入した大型ピヴォのゴールで、2-2の同点する。 2-2で迎えた延長戦で、先手を取ったのは大阪だった。延長第1ピリオドのラスト1.7秒、直接フリーキックをキャプテンの加藤未渚実が壁の間を通すコントロールショットを決めた。だが、立川は延長第2ピリオドの残り55秒、湯浅拓斗が三度同点に追いつく。 両者譲らず勝負はPK戦に。大阪は、途中出場した新戦力のGK関口優志が立川2人目・大澤のシュートを見事ストップし、5-4でPK戦を制した。1回戦から登場し、実に5試合を戦い抜いた大阪が、チーム一丸となって3位をつかみとった。
残り2.6秒で鬼塚祥慶が劇的決勝弾
ファイナルに勝ち上がったのは、オーシャンカップを5連覇中の王者・名古屋オーシャンズと、初優勝を目指すペスカドーラ町田だった。16分、町田のファウル数が6つ目となって、名古屋が第2PKのチャンスを得る。これをアンドレシートがゴール左隅に落ち着いて決めて、名古屋が先制に成功する。 ここから試合が一気に動き出す。17分、左サイドのキックインから山中翔斗が放ったシュートは野村啓介に当たったものの、こぼれ球を野村が鋭い反転からゴールにねじ込む。だが16分、町田は倉科亮佑がペナルティーエリア内でハンド、PKをとられてしまう。名古屋にとっては絶好機だったが、アンドレシートのシュートはクロスバーを叩いた。 息を吹き返した町田は19分、今大会ブレイク中の19歳・三宅悠斗が倉科のシュートの跳ね返りを、左足を思い切りよく振り抜き、ゴールネットを揺らす。三宅の4ゴール目で2-1とリードして第1ピリオドを折り返した。 第2ピリオドで先手を取ったのは町田だった。28分、フリーキックから森岡薫のパスをクレパウジ・ヴィニシウスが左足でゴール右隅に流し込み2点差に。町田の初優勝が見えかけたが、ここから王者・名古屋が底力を発揮する。29分、キャプテン・吉川智貴のゴールで1点差に。 序盤からヒートアップ気味だった試合は、30分過ぎから一気に荒れていく。34分、町田は甲斐侍監督、平岡俊介トレーナーとスタッフ2人が異議で退場。町田は難波田治コーチが臨時監督として指揮を取る。残り5分を切ると、名古屋は伝家の宝刀・パワープレーを開始。すると38分、右サイド・アンドレシートのパスからファーで清水和也が合わせて3-3に。 延長第1ピリオドの43分、町田は第2PKのチャンスが訪れる。だが、キッカー・森岡のシュートはGK篠田龍馬に止められてしまう。同点の状況でもパワープレーを行なった名古屋に歓喜の瞬間が訪れたのはラスト2.6秒、素早いパス回しで町田の守備をずらすと、水谷颯真、甲斐稜人を経由し、左奥の鬼塚祥慶が軸足の後ろを通すトリッキーな形で流し込む。これが決まって、4-3。決勝戦にふさわしい、劇的な幕切れとなった。
「これが名古屋です」(吉川智貴)
2023-2024シーズンのFリーグでは1位の町田に勝ち点で大きく離されながら、ファイナルシーズン最終戦で勝ち点で並び、得失点差で上回って優勝。そして、イマノル新監督になって初めての公式大会でも名古屋らしく、勝負強さを見せた。 試合後の記者会見で「どうして名古屋は勝てるんですか?」と聞かれた、吉川は「これが名古屋です、としか言いようがないです」と笑った。常に勝利を求められる環境の中で戦ってきた絶対王者が、オーシャンカップ6連覇、通算12回目の栄光に輝いた。