『鎌倉殿の13人』『どうする家康』『光る君へ』 大河ドラマ直近3作の画面注視データを分析
蔦重の「ビジネスパートナー」たちを紹介
最後に『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に登場する(であろう)7人の蔦重のビジネスパートナーたちを紹介する。彼らはいずれも重要人物なので知っておいて損はない。 (1)四方赤良(よものあから/演:未定) 本名は太田南畝。勘定所に勤務する幕府官僚であり、江戸では名の通った文筆家でもあった。杏花園(きょうかえん)・蜀山人(しょくさんじん)などと号して多数の狂歌本や戯作を刊行した。 (2)朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ/演:尾美としのりさん) 本名は平沢常富。出羽・久保田藩の定府藩士で江戸留守居。「宝暦の色男」を自称し、吉原へ通い続け、その経験を生かした作品を多く刊行した。 (3)山東京伝(さんとうきょうでん/演:未定) 本名は岩瀬醒。作家として活躍するだけでなく、現代でいう銀座1丁目に喫煙用の小物販売店「京屋」を開業し、自らデザインした紙製煙草入れを大流行させた。 (4)十返舎一九(じっぺんしゃいっく/演:未定) 本名は重田貞一。家系や出生には不明な点が多い人物。重三郎の死後、1802(享和2)年に『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』が大ヒットして流行作家となった。 (5)喜多川歌麿(きたがわうたまろ/演:染谷将太) 鳥山石燕のもとで学び、1790(寛政2)年ごろから描き始めた『美人大首絵』で大いに人気を集めた。 (6)東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく/演:未定) 1794(寛政6)年から1795(寛政7)年の10ヵ月にかけて149作品の役者絵を蔦屋から刊行した。来歴が不明で謎の多い浮世絵師。 (7)北尾重政(きたおしげまさ/演:橋本淳) 独学で浮世絵を学び、北尾派の開祖となる。蔦屋と北尾派の関係は根強く、多数の作品を刊行した。 ちなみに、前半で触れた「ギャップ」の点で、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』という作品は、存在そのものがすでに「ギャップ」であると言えるのではないだろうか。「NHK大河ドラマ」という堅いイメージのコンテンツで、「吉原」という究極の舞台が、「ギャップ」以外のなにものでもないからだ。こんなに攻めた題材をあつかう大河ドラマは初めてかもしれない。 REVISIOでは昨年に引き続き、大河ドラマの分析記事を毎週リリースしていく。『べらぼう』の初回放送では、果たしてどんなシーンが注目されるのか。
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