“ライドシェア”解禁は? 政府が導入検討…反対論も根強く
日テレNEWS NNN
一般のドライバーが自分の車を使い、有料で客を送迎する“ライドシェア”は、解禁されるのでしょうか? 政府は導入に向け検討を進めていますが、安全面の懸念などを理由に、反対論も根強く残っています。 ◇ 4日、兵庫・養父市で写真を撮る河野デジタル大臣。カメラの先にあるのは、一般のドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ“ライドシェア”の車です。 河野大臣が乗り込んだ車のドライバーの本職は、なんと畳職人です。 ――乗った感想を聞かせてください 河野デジタル相 「非常に快適でした」 ――安心感は? 河野デジタル相 「もう全く問題なく」 日本では、“ライドシェア”は、いわゆる“白タク”として禁止されています。 しかし、兵庫県養父市では、公共交通機関の不足などにより、5年前から「国家戦略特区」の制度によって、特別に認められています。 背景にあるのは、深刻な“タクシーのドライバー不足”です。タクシードライバーは今年3月末の時点で、コロナ禍前の2019年と比べて、2割以上減少しています。さらに、都市部や観光地では需要が増加し、全国的に“タクシー不足”が深刻化しているのです。 この問題の解消のため、政府が導入を検討しているのが“ライドシェア”です。 4日、“ライドシェア”を体験した河野大臣は―― 河野デジタル相 「(タクシー不足は)全国、非常に増えておりますので、これはもう解決しなければならない喫緊の課題だと思っております」 その河野大臣を“ライドシェア”で乗せたドライバーの男性は、普段は畳職人として働くかたわら、月に30件ほど“ライドシェア”のオーダーを受けているといいます。 ライドシェア「やぶくる」 西垣勲一ドライバー 「体調チェックをお願いします」 運行管理者 「本日はどうですか、健康状態」 西垣ドライバー 「全然、大丈夫です」 運行管理者 「アルコールチェックをお願いします」 運転前には、テレビ電話での「体調管理」と「アルコールチェック」が求められているほか、安全性の面から「車のメンテナンス」も欠かせないといいます。 ライドシェア「やぶくる」 西垣勲一ドライバー 「(利用者は)バスや公共交通機関が不便なところから、診療所に行きたいという方が多いですね」 買い物などで、よく“ライドシェア”を利用するという男性は―― “ライドシェア”利用客 「(タクシーは)予約しても時間が取れなくて。私にとっては、なくてはならないサービスです」 ◇ しかし、“ライドシェア”に対しては、安全性の問題や、事故が起きた際に誰が責任を負うかなどの懸念が指摘されていて、根強い反発もあります。現職閣僚からも、反対の声が上がっています。 盛山文科相 「安易な“ライドシェア”ということには、いきませんよと。これからも、安全安心のタクシー、誰が乗っても危険を感じない、清潔である、乗りやすい、そのようなタクシーサービスが持続していくことを心から願います」 さらに、6日に行われた政府のオンライン会議で、タクシー業界からは。 全国ハイヤー・タクシー連合会 川鍋一朗会長 「タクシー来ないことが最近、増えていると思うんですけども、タクシーは法的にたくさんの縛りがございます。まずこれを、ぜひ解除いただきたいと思っております」 「タクシー不足は“ライドシェア”ではなく、タクシー業界の規制緩和で解決できる」との意見が出されました。 “ライドシェア”は、問題解決の“切り札”となるのか。政府は年内に、実現に向けた具体策を取りまとめたい考えです。