30-40代の女性も他人事じゃない!? 2月は「全国生活習慣病予防月間」。管理栄養士に聞くチェックポイント
2月は「全国生活習慣病予防月間」。生活習慣病というと「メタボ」「糖尿病」などのワードが浮かんできて、なんとなく「おじさんたちの病気」と感じている人も多いかもしれません。しかし、女性ホルモンなど私たちに特有の要因もあり、特に40代に入ってからはチェックするべき項目が増えるんです。 管理栄養士の宮崎奈津季さんに、「女性の生活習慣病」とその予防について教えてもらいました。 【画像3枚】生活習慣と疾病の関連や、メタボリックシンドロームの診断基準を表で分かりやすく。今の自分の状態をチェックしてみよう!
生活習慣病って?
♦️「生活習慣病」の範囲 こんにちは。管理栄養士の宮崎奈津季です。2月は「全国生活習慣病予防月間」。kufura世代の女性にはまだあまり実感はないかもしれませんが、油断は禁物です。この機会に、生活習慣病について学んでおきましょう。 「生活習慣病」とは、食事や運動、睡眠を含む休養、飲酒、喫煙などの生活習慣と深くかかわっており、それらが引き金となって発症する疾患の総称です。日本における死因の50%を占めるがんや心疾患、脳血管疾患は生活習慣病に含まれます。 生活習慣病の範囲や定義ははっきりと定められていませんが、健康増進法では「がん及び循環器病」、健康日本21では「がん、心臓病、脳卒中、糖尿病等」と位置づけられています。 生活習慣病の範囲については、以下のような生活習慣と疾病の関連が明らかになっているものが含まれるとされています。生活習慣病を予防するためには、普段の生活習慣に気を付けることはもちろん、定期的に健康診断を受けることが大切です。 ♦️複数の要素からなる「メタボリックシンドローム」 生活習慣病の発症に大きく影響しているのが、「内臓脂肪型肥満」、別名「メタボリックシンドローム」です。 メタボリックシンドロームの診断基準は、内臓脂肪の蓄積に加えて、(1)高血圧、(2)脂質異常、(3)高血糖のうち、いずれか2つ以上が当てはまっている状態です。 ♦️生活習慣病には女性ホルモンの影響も 女性ホルモンであるエストロゲンは、動脈硬化や脂質異常、内臓脂肪の蓄積など生活習慣病の原因となる要素を抑制する働きがあり、健康維持に必要不可欠です。 40代以降の女性では閉経により女性ホルモンが大きく減少し、内臓脂肪の増加によってメタボリックシンドロームや生活習慣病へのリスクが高まることが知られています。特に、LDLコレステロールは女性ホルモンが減少により増加しやすくなり、動脈硬化性疾患のリスクが大きくなるとされています。 ♦️女性ホルモンの変化に伴う骨粗しょう症にも注意 エストロゲンは、骨の形成を促進し、古い骨を壊す作用を抑制します。40代以降ではエストロゲンの分泌が減少し、骨密度が低下して骨がもろくなってしまい、骨折のリスクが高まります。 女性は男性に比べて骨量が少なく、加齢とエストロゲンの減少が重なることで、50代以降は骨粗しょう症になりやすいといわれています。骨密度は、病院や自治体などで測定できることがあるので、定期的にチェックできると良いでしょう。