メンタルにも良い!ニューヨークで注目の「読書パーティ」とは?(シェリー めぐみ)
【ニューヨークからお届けします】 ニューヨークで「読書パーティ」が密かな関心を集めています。皆で集まって本を読む行為がマインドフル、と注目されています。なぜでしょうか。 「立って」仕事をすれば健康で長生きできる(4)「座りすぎ」が招く心身不調…経済損失は6兆円を超える 読書といえば、自宅で、図書館で、カフェで、1人で、というのが普通ですよね。アメリカではブッククラブという、1冊の話題の本について、ワイン片手に皆で語り合うというイベントが定番の人気ですが、「読書パーティ」はまたそれとも違います。 読書パーティとは、客がそれぞれ自分が好きな本を持って集まり、同じ空間を共有して読書するというイベントです。 パーティを主催する「リーディング・リズム」のサイトには、広めの居間のような空間に座り心地よさそうなソファや椅子が置かれ、3~40人の若者が読書している写真が掲載されています。一角に置かれたキーボードではミュージシャンが音楽を奏でています。市内に4カ所の支部があり、夏の間はセントラルパークの芝生や高層ビルの展望台など屋外でも開催しています。 ただ集まって本を読むだけなのに、なぜメンタルに良い影響を与えてくれるのでしょうか? ローリングストーン誌の記者によれば、まず30分という決められた時間に集中して本を読むことで、現代のマルチタスクから解放される。特にスマホではなく紙の本を読むというのも、デジタル・デトックス効果につながるといいます。でもだからといって全くの孤独というわけではありません。 個別の読書の後には、グループで集まって自分が読んでいる本について発表し、語り合う時間もあります。他人と話す機会が少ない都会の真ん中で、本を介した気軽な会話とふれあいを楽しみ、孤独を癒やすこともできるのです。しかもお酒や大音量の音楽がつきもののパーティとは違い、体にも優しく、ストレスも少ないのが特徴です。 好きな本を読みながら、他人とのちょうどいい距離を楽しめる「読書パーティ」のチケットは20ドル(約2800円)。 アメリカではZ世代の間で、特に紙の本を中心に読書の人気が戻ってきています。Z世代はメンタルの問題を自覚する人が4割を超える世代でもあります。そんな中「読書パーティ」の人気はまだまだ上がっていきそうです。 (シェリー めぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)