やはり今季はやってくれそうだ! ソフトバンク東浜巨への期待値を上げるアクション、データ、そして今宮健太の言葉
◆オープン戦・ソフトバンク2―3巨人(13日、ペイペイドーム) 【コラム好球筆打】 やはり今季はやってくれるのではなかろうか。そんな期待感を抱かずにはいられない。開幕2カード目のロッテ戦(ペイペイドーム)先発が有力視される東浜だ。今オープン戦2度目の先発となった13日の巨人戦も5回を投げて無失点。許した安打は4本で、前回先発した6日のヤクルト戦(同)からの連続無失点イニングも「9」に伸ばすなど、開幕ローテ入りを目指す投手陣の中では群を抜く安定感だ。 ■「泣ける」ウォーカーが古巣恩師とサムアップ2ショット【写真】 「ボール自体は前回よりも良かったと思います。ある程度、コントロールもできた」。登板後のコメントにも充実感が漂った。また、口癖のように話す「基本は真っすぐの強さ」にも本来の力強さが戻って来ていることを実感しているのだろう。東浜は「キャンプから真っすぐだけは状態がいい。継続して、まだまだ上がると思ってやっていきたい」と腕を撫していた。 状態の良さはマウンド上での〝振る舞い〟からも見て取れた。4回。先頭梶谷を125キロのカーブで空振り三振に仕留めた直後だ。東浜はクルリと反転し、舌を出して苦笑いを浮かべていた。恐らく、思っていたコースに制球できなかったにもかかわらず、三振を取れたから出たとっさのアクションだろうが、心に余裕のようなものを感じた。オープン戦中とはいえ、ここ数年は見られなかった光景だけに、今後も楽しみだ。 投球内容にも好結果を生み出す理由が示されていた。この日対戦した打者延べ19人(対戦を完了してない打者1人を含む)中、初球がストライクだった打者(初球打ちも含む)は11人にものぼった。また、3ボールになったのは初回の先頭打者松原に対してだけだった。その松原も2球で簡単に追い込んだ後にファウルで粘られ、9球を要した末の結果と、とにかくテンポよく自分のペースで投球を進めていた印象だ。 だからと言い切っていいかは分からないが、後ろを守る野手陣の動きも自然と良くなる。まずは3回。巨人の1番松原が放った三遊間への強烈な打球を三塁手井上がスライディングするような形でうまくバウンドを合わせて好捕し、アウトに仕留めた。5回1死一塁の場面では遊撃を守った名手今宮が三遊間を抜けそうな打球を逆シングルでグラブに収め、素早く体を反転させて二塁へ送球。ピンチが拡大することを防いだ。 そんな東浜の投球について、今宮は「やっぱりストライク先行の投手は基本的に守りやすいですよ。巨さん(東浜)はベースの四隅を慎重に突く投球スタイルで球数が増えることが多いけど、今日みたいにどんどんストライク勝負する投球は守っている方も集中力が普段以上に増しますね」と好印象を抱いていた。内野の要でもある男の言葉を聞いて、今年の東浜への期待値がさらに上がったことは言うまでもない。(石田泰隆)
西日本新聞社