【発言小町】ネコが夫にばかり懐いてツラい…「ペットは我が子同然の家族」は行き過ぎ?
発言小町に「ネコが夫にばかり懐いて自分には素っ気ない」というトピがあった。昭和の時代なら「それがどうした」ですんだかもしれないが、今は「ペットは大切な家族」と考える人が増えている。 その「家族」が、世話をしている自分に冷たいとなれば、トピ主さんのように「どうしてもやるせない気持ちに」となってもおかしくない。多くのレスが共感したり、慰めたりしていた。 カギになるのは「好かれている側」、今回なら夫の振る舞いではないか。甘えてくるネコと「ふたりの世界」を築かれては、妻は疎外感を覚える。それが続けば、どんどん落ち込み、果ては「夫を奪ったネコが憎い」となるかもしれない。 それを防ぐためにも、夫は、たまには「3人で遊ぼうね」と妻を誘ったり、ネコに留守番をさせて妻とふたりで外食する時間を取ったりする必要がある。それくらいのオトナの余裕を見せてほしいものだ。 「ウチの夫にそういう気遣いはない」という人は、「ペットはなんのために飼っているか」と思い出すのもよいかもしれない。それは「かわいくて癒やされるから」だろう。ペットで気持ちがトゲトゲしくなるのは本末転倒。夫のペットへの態度などでイラッとしても、「気にしない」と自分に言い聞かせるのだ。 ただ、私のアドバイスを読んで、1割くらいの読者は、「ペットのことで夫と亀裂が生じるだなんて。気にしすぎじゃないの」と驚くのではないか。それもまた、健全な意見だろう。私自身、動物は大好きだが、ペットを我が子同然に扱う現在のペットブームはさすがに行きすぎているのではないか、と思うこともある。 ペットはかわいい。しかし、「ペットがすべて」となりすぎて、家族とうまくいかなくなるのはちょっとヘン。そのあたりも確認しておきたい。(精神科医 香山リカ)