コンビニに「ドンペリ」⁉外国資本に“占拠”された日本のリゾート地・ニセコの法外すぎる物価
今や世界中から富裕層がこぞって訪れる冬の高級リゾート地となった北海道ニセコ。どうやってニセコはインバウンドをものにしたのか。海外の富裕層を取り込む外国資本の戦略、日本の観光に足りていないものとは何なのか。ニセコの成功の背景を、リゾート地・富裕層ビジネス・不動産投資の知見をもつ筆者が、これらの謎をひも解く。 【写真】習近平の第一夫人「彭麗媛」(ポン・リーユアン)の美貌とファッション *『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(高橋克英著)より抜粋してお届けする。 『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』連載第12回 『一棟「5億円超」⁉中国人富裕層に爆売れし続けている「日本人お断り」高級別荘の衝撃の実態』より続く
進む高級コンドミニアムの建設
更に進むと、「四季ニセコ」の建物には、2020年9月から新たにタイ資本が運営するホテル「チャトリウムニセコ」やミシュラン1つ星のレストランKamimuraがあり、東急リゾートサービスが運営する「綾ニセコ」、そして「ザ・ヴェール・ニセコ」といった高級コンドミニアム(ホテルコンドミニアム)などもみえてくる。 これらホテルコンドミニアムは、一棟の建物に区分所有権を設定し、戸別に分譲販売するものの、ホテルとして一体的に運営する形態を採っている。 長期滞在し、夕食は外でとることを好む外国人から好まれやすい。 これから先、本書で紹介するニセコの高級コンドミニアムやレジデンスは、すべてホテルコンドミニアムの形態を採っている。
ここはコンビニなのに…
高級コンドミニアム「ザ・ヴェール・ニセコ」の最上階に位置するペントハウスは、ニセコでも最高級とされる部屋の一つだ。 187㎡の広さにプレミアム暖炉、バスルーム3つを備え、天井まで届く大きな窓からは羊蹄山の壮大な眺めが一望できる。スキー後は開放感あふれる57㎡を誇るバルコニーの露天風呂でゆっくりと星空を眺めながらリラックスできる。 ペントハウスはトップシーズンでは1泊50万円を超えるが、それでも満室になる。 北海道のご当地コンビニであるセイコーマートのニセコひらふ店は、富裕層を中心とした外国人観光客や移住者を意識した店舗となっており、国際クレジットカード対応可能な銀行ATMに外貨両替機、Tim Tamなど豪州で人気のスナック菓子やイギリスパンなど食品類、そして種類豊富なワイン類が並んでいる。 3万円近いドンペリニヨンなど高級シャンパンも棚に鎮座している。 ここはコンビニなのにだ。 『「ここは日本であって日本ではない…」外国資本がカネの力で「乗っ取った」日本の伝統的な街並み』へ続く
高橋 克英(金融アナリスト)