エヌビディアCEO、量子コンピューター実用化は「20年先」…NY市場で関連株急落
【ラスベガス=小林泰裕】ブルームバーグ通信など米主要メディアは8日、米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が、非常に有用な量子コンピューターの実用化には20年程度かかるとの見通しを示したと報じた。 【表】オルカンがトップ…資金流入額が多い投資信託トップ10
報道によれば、フアン氏は7日夜、アナリスト向け説明会で「15年後なら早い方で、30年なら遅い。20年先と言えば、多くが納得する」と述べた。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、グーグルは2030年までに本格的な量子コンピューターを開発する方針だが、フアン氏はこうした見通しを否定した形だ。
フアン氏の発言を受け、8日のニューヨーク株式市場では関連銘柄が急落。量子コンピューター技術の開発に取り組む米新興クォンタム・コンピューティング株は43%も下落した。
量子コンピューターは現在のスーパーコンピューターを上回る性能を持つ可能性があり、各国で開発が進んでいる。材料開発や金融への応用などで産業競争力を飛躍的に高めると期待される一方、兵器開発などに利用される懸念もある。