常にトイレが気になって…「人生で4~5回漏らしました」 “バレないパンツ”を開発した難病社長の切実な思い
前編【「実際に漏らして開発しました」 “うんちを漏らしても気付かれないパンツ”誕生秘話】からのつづき 【写真】150ccの下痢を吸収し、5大排泄臭もブロックするOMAPAN。見た目は普通のパンツだ ほか “漏らしても気付かれないパンツ”が、GWの長時間移動での“トイレ問題”における救世主となるかもしれない――。開発にあたり、株式会社OMAPAN代表取締役社長の洞本昌明氏は、実際に漏らし、実験を繰り返したという。“うんちを漏らしても気付かれないお守りパンツ”を謳う一見ユニークな商品だが、背景には、こうしたアイテムを求める切なる事情があった。 ***
洞本氏は、20年以上にわたり、「潰瘍性大腸炎」という腸の難病と付き合ってきた。潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患だ。特徴的な症状としては下痢と頻繁な腹痛で、血便を伴うこともある。安倍晋三元総理が患っていることを公表して知った人も多いだろう。 ひどいときには1日20回以上下痢に襲われる、「便意に振り回される生活」を洞本氏は続けてきた。外を歩いているときは、コンビニやカフェなどトイレを借りられそうな場所を常にチェック。電車などの公共交通機関はすぐにトイレに駆け込めないため、移動は車が基本だ。体調が悪い日は、そもそも出かけない。それほど徹底しても、漏らしてしまったことは人生で4~5回あるという。 その経験が「OMAPAN」(3,980円、税別)の開発につながった。見た目は普通のボクサーパンツながら、150cc(一般的なオムツ1回分)の量の下痢を吸水し、5大排泄臭(アンモニア・酢酸・メチルメルカプタン・硫化水素・インドール)を同時にブロックする機能を備えている。 それまで類似商品はなかったのか。 「便漏れに特化した、漏れと臭いの両方をブロックできるパンツは、調べた限りほかにありません。尿漏れ防止のパンツはありますが、吸水量は5~50cc程度と少量です。防水と防臭の両方を叶え、かつスタイリッシュな見た目にするために、試作と実験を重ねました」