核心物資の特定国依存度を50%以下へ…3年間に55兆ウォン投入=韓国
韓国政府が2030年までに経済安全保障品目の特定国依存度を50%以下に引き下げる計画を発表した。経済安全保障品目とは、需給に支障が生じれば国家経済に大きな影響を及ぼす素材・部品・装備などをいう。 政府は19日、サプライチェーン安定化委員会を開き、「2025ー27サプライチェーン安定化基本計画」を初めて発表した。米国のトランプ政権2期目に予想される高率関税、保護貿易主義、米中間の競争がグローバルサプライチェーンの不確実性を高めているというのが政府の問題認識だ。政府はこれに対応して2027年までに55兆ウォン(約6兆円)以上の金融・財政支援を投入し、主要品目の国内生産・備蓄拡大などを進める方針だ。 政府は基本計画を通じて昨年70%水準だった経済安全保障品目の特定国依存度を2027年に60%、2030年には50%以下に引き下げるという目標を設定した。韓国はバッテリー素材の天然黒鉛の97.9%を中国から輸入するなど、半導体・電気自動車のような戦略産業の素材・部品・装備において特定国に対する輸入依存度が高い。 核心は政府は各部処で別々に管理してきた経済安全保障品目の統合管理だ。まず現在約300件を指定して所管部処がそれぞれ管理した経済安全保障品目を全体部処合同で毎年点検・更新することにした。 需給不安定時に発令する早期警報システム(EWS)は部処・機関間の情報を連係した統合モニタリングシステムで強化する。サプライチェーン危機状況には国家情報院の情報力量を活用し、代わりの輸入国家・企業を探すという内容もある。また民間のサプライチェーン関連情報を収集するために企業とも定期的な意思疎通チャンネルを開くことにした。 国内生産と公共備蓄でも官民統合体系を構築する。尿素水を作るための尿素などは調達庁が購入して需要企業が保管・使用する方式を推進する。また2027年までに非鉄金属は60日分、希少金属は平均75日分を備蓄できるように準備する方針だ。 経済安全保障品目を国内で生産しようとする企業があれば投資から生産段階まで金融・財政を支援する。経済安全保障品目・サービスに関連した国内工場を新設・増設する国内外企業に対しては外国人投資補助金(最大+10%ポイント)・地方投資補助金(+2%ポイント)を拡大する。経済性が落ちて生産が難しい品目を国内生産する企業には「サプライチェーン安定化支援プログラム」を通じて購買促進支援を検討する予定だ。このため先端産業・資源安全保障・必須材・物流などサプライチェーン核心分野を重点的に支援するサプライチェーン安定化基金供給規模を今後3年間に30兆ウォンに拡大する。 また海運・航空などサプライチェーンインフラを通じて輸入先の多角化を支援する案も盛り込んだ。経済・安全保障レベルで戦略的価値がある核心技術関連研究開発(R&D)には3年間で25兆ウォン以上を支援する計画だ。具体的に素材・部品・装備の代替(Replace)・低減(Reduce)・再資源化(Resource)の「3R」技術開発を支援し、サプライチェーン安定化関連の技術を国家戦略技術に含める案を推進する。 崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官はこの日、「最近の厳しい国内状況で政府の対応が十分でないという懸念があることをよく知っている」とし「基本計画を樹立することでグローバルサプライチェーンリスクという荒波を乗り越えていく対応体系を完備する考え」と述べた。続いて「特に来年は厳しい対内外環境の中、可用なあらゆる手段を活用してサプライチェーンリスクに備えていく」と強調した。