「もう少し余裕はあるかな」驚異の16歳久保凛が女子800メートル全体1位で30日決勝へ 憧れ田中希実に同走勝利「自信になる」【陸上日本選手権】
◆陸上 日本選手権(29日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム) パリ五輪の代表選考会を兼ねて女子800メートルの予選が行われ、3組に出場した久保凛(東大阪大敬愛高)は2分3秒60で1位となり30日の決勝に進んだ。2分4秒09で2位の卜部蘭(積水化学)、2分4秒36で3位の田中希実(ニューバランス)の実力者に競り勝った。パリ五輪の参加標準記録は1分59秒30。 ■ピンクのユニフォームで快走するドルーリー朱瑛里【写真】 前半から首位に立つ積極的なレースを展開。残り1周で田中や卜部も迫る中、最後までスピードを維持して逃げ切った。「予選はまず自分のリズムを大切にして、前半から先頭で走ることが意識していた部分」と有言実行の走りを披露。その上で「焦ることなく自分のリズムで走ることができた。もう少し余裕はあるかな」とも頼もしく自己分析する。 田中は憧れの存在でもある。大舞台の日本選手権での同走は大きな刺激にもなる。「憧れの選手と走れることは本当にうれしいこと。こういう試合を大切にしていきたい。自信になる」と満面の笑顔を見せた。 久保は和歌山県出身で、小学校時はサッカーに取り組んでいた。小学校高学年の時にジュニアの駅伝大会に出場したことがきっかけで、中学から本格的に陸上を始めた。いとこがサッカー日本代表の久保建英(レアル・ソシエダード)の16歳。昨夏の全国総体の800メートルも制しているほか、今季は著しい成長を示す。「金栗記念」「静岡国際」「木南記念」とシニア大会で3連勝をマークするなど勢いに乗る中で頂上決戦に挑む。
西日本新聞社