次期戦闘機の輸出容認 外交力アップに?反対の声も…元空自トップ「現憲法では軍事力を持てない。自分たちで国を守る態勢を」
■「殺傷兵器を輸出するのが日本のあるべき姿なのか」「外交交渉で強い立場になれる」
1967年に佐藤栄作内閣が「武器輸出三原則」を表明した後、2014年の「防衛装備移転三原則」で一部緩和。2023年12月には「防衛装備移転三原則」で運用指針が改定され、ライセンス完成品のライセンス元国への輸出を可能とし、迎撃ミサイル「PAC3」をアメリカに輸出することが決まるなど、世界情勢に合わせ変化してきた。 田母神氏は、次期戦闘機の輸出は必要だという立場。「他の国が皆輸出している中で、日本だけ輸出しないのは平和国家として自らの手足を縛っている。軍事力強化に対して“戦争をするのか”と言われるが、世界平和を維持しているのは軍事力だ。強い軍事力を備えて、最後まで戦い抜く体制でいることが、相手の侵略を抑止することになる。そして、日本で作った武器を他国に使わせることは、その国に対する外交交渉で強い立場になれる。“言うことを聞かなければ戦闘機を動かせなくする”という無言の圧力が常時かけられる」。
一方で半田氏は、「日本は専守防衛で、他国の侵略を跳ね返すために必要な軍事力を持つのは当たり前のこと。開発自体に反対はしていない。しかし、日本には平和憲法があり、その前提にしたがって良し悪しを考えなければいけない。戦闘機は明らかな殺傷兵器だ。それを輸出して日本の企業が潤っていくのは、本来あるべき姿とは異なっていると思う。憲法の安全保障政策は“必要最低限の実力を行使すること”であり、他国の戦争に加担することは全くできない」との見方を示す。 これに田母神氏は、「この憲法はアメリカに押し付けられたもので、軍事力が持てないという問題があることは半田さんもご承知のとおりだ。それをすべて守るというよりも、憲法を変えることも踏まえ、日本が本当に平和国家として、あるいは強い国として生きていけるかたちを考えるべきだと思う」と指摘。
また、ロシアによるウクライナ侵攻を引き合いに「1994年のブダペスト覚書は、ソ連崩壊に伴ってウクライナが持っていた核兵器をロシアに引き渡せば、イギリス・アメリカ・ロシアがウクライナの安全を保障する条約だ。しかし、今回の戦争が始まっても、アメリカもイギリスも参加しない。バイデン大統領はエスカレートして核戦争になると困るから参加しないと。それによって、中国が日本に侵攻してきた時に、アメリカは助けてくれないことが明らかになったわけだ。やはり日本も自分たちで守る態勢を整えなければ危ない」とした。(『ABEMA Prime』より)