サブスク時代になぜ?レコード鑑賞会が人気 中島みゆきさんの曲に「涙が止まらない」 人々を引きつける理由は
中島みゆきさんの曲に「涙が止まらない」
伊那市で月1回開く「伊那まちレコード喫茶を楽しむ会」は、商店街にある「伊那まちBASE」が会場。11月20日には約30人がジャズやクラシックを楽しんだ。最後の曲は中島みゆきさんの「ファイト!」。曲が終わると年配の男性が「自分はしがらみを打ち破ることができなかった。この曲を聞くと涙が止まらない」と思いを吐露した。定年間近の男性(59)は「自分にとっては大学受験につまずいた高校時代の応援歌。苦しいあの日々を思い出すと涙がこみ上げる」と応じた。
世代を超えた交流も
さまざまな世代、境遇の人たちの交流を目指す動きもある。伊那まちBASEは、子どもの居場所として21年に開設した交流拠点で、楽しむ会の運営スタッフは若者を巻き込む構想も思い描く。諏訪市で開かれる「みづうみの風」には、市内の県福祉大学校が協力。学生が自身の祖父母の話に耳を傾け、タイトルを聞き取ったレコードを会の参加者と探す活動もしている。
障害者も参加 多様な人が自分らしくいられる場所を
中野市の「おとまちカフェ」は市内のグループホームが主会場で、施設利用者や障害者も参加。主催団体代表で、民生委員の池田しづ子さん(74)は「多様な立場の人が大切にする音楽を持ち寄って話し、仲間と自分らしくいられる場所が地域にいつまでもあり続ければいい」と話している。(篠原光)