問われる世襲議員の存在 「父以上に徹底的に歩く」 批判強める立民 茨城7区・福島2区
自民公認で福島2区から出馬する新人の根本拓氏(38)は、元厚生労働相の父・匠氏の地盤を引き継いだ。匠氏は9月29日に引退を表明。自民は公募で公認候補を決めるのが原則だが、福島県連は公募せずにわずか4日後、拓氏の擁立を決めた。
県連関係者は「公募に時間をかけられなかった」とした上で、「県内を探しても根本氏以上の候補者はいない」と強調。米ハーバード大大学院修了後に弁護士事務所に所属し、米国企業や経済協力開発機構(OECD)で勤務した経歴と能力に太鼓判を押す。
「やるべきは政権交代ではなく世代交代だ。自民党は新しく生まれ変わる」
根本氏は今月17日、福島県須賀川市で演説し、若さをアピールした。匠氏の姿はなく、演説でも触れなかった。陣営の市議は「親子で並ぶなんて露骨なまねはしない。若くて優秀な人材だから父の影は可能な限り薄める」と説明した。
演説はたどたどしいが、はにかみながら聴衆一人一人と握手する様子に、支援者の男性は「父親と違って初々しいところが応援してやりたくなる」と語った。
対する立民前職の玄葉光一郎元外相(60)は根本氏の世襲批判を強めている。
「お父ちゃんの後援会を使って、お父ちゃんに全部業界団体をつけてもらって。ただの世襲に負けてはだめだ」
17日、同県平田村での街頭演説で世襲批判を展開し、聴衆から拍手を浴びた。さらに、茨城7区で中村氏が父が所属した立民の公認を得ずに無所属出馬したことにも言及し「そういう気概、心意気がなくてどうする」と訴えた。(永井大輔)