税務調査官「私が間違っていたみたいですね、すみません」…年商1億円の60歳社長、税務調査で“社用車のポルシェ”がやり玉に→〈経費計上〉が認められたまさかの理由【税理士の助言】
高級車が「経費」として認められた驚きのワケ
では、今回ポルシェが社用車(経費)として認められたのはなぜなのでしょうか? 調査官が言ったように、高級車を“社長の個人的趣味”で乗っている場合、経費として認めることはできません。そのため、税務調査では「高級車が会社の業務に本当に必要であるのか?」という観点から追及されます。 これは言い換えると、事業上の必要性を認めさせることができれば、経費として認められるということです。今回Aさんが調査官に主張した点は、下記の4つでした。 (1)B社の顧客は富裕層であるため、業務上顧客のレベルにあわせた服装や振る舞いが求められる。そのため、社用車についても相応の車に乗らないと相手に信用されない。顧客も高級車に乗っている人が多く、社用車が高級車であることで、顧客との話題作りにもなる (2)車の運行記録などはすべて記録してあり、仕事以外では使用していない (3)プライベートでは会社の車を使わず、必ず自家用車を利用している (4)ポルシェのような人気高級車は、売却する際も高値で取引できるので、法人で購入する以上、資産運用という観点等も考慮して車種を考慮し購入している Aさんは車両の運用状況などの記録などを保管しており、税務調査に備えて客観的に証明できる資料を揃えていました。したがって、上記の主張をした結果、その購入の妥当性が認められることとなりました。 税務調査の際は、必ずエビデンスを求められます。調査官を説得しきれないと否認されることとなりますので、注意しましょう。 宮路 幸人 多賀谷会計事務所 税理士/CFP
宮路 幸人