「注意義務怠り手術後に死亡」 遺族が尾道市民病院側を損賠提訴 広島地裁
尾道市民病院(広島県尾道市新高山)で2019年4月、不安定狭心症と診断された同市の男性=当時(82)=が処置中に出血し緊急手術を受けた後に死亡したのは、処置に使った器具などへの注意義務を医師らが怠ったのが原因として、男性の遺族が市に約4496万円の損害賠償を求める訴えを広島地裁に起こした。 【写真】尾道市民病院 訴状などによると、男性は不安定狭心症と診断されたその日にカテーテルを使った処置を受けた。処置中に右外腸骨動脈が損傷して出血。止血の緊急手術を受けたが、体内で約2リットルの出血が続き、手術から約12時間後に出血性ショックで死亡したという。 遺族側は、カテーテルを患部まで誘導するワイヤが抜けて再挿入する際、ワイヤの先端に付いた器具が血管を傷付けたとし「(器具は)血管を損傷する危険性があり、使わずに行う注意義務があった」と主張。止血の手術後に男性は血圧低下などの症状があったが、「医師らはCT検査などで出血の有無を確認する注意義務も怠り、致死的な出血を見逃した」とした。 同病院総務人事課は中国新聞の取材に「裁判のことなので何も答えられない」としている。
中国新聞社