ヤン車人気が始まったのは中古市場に流れてから。ベンツやBMWとタイマン張った新車時代のブリフェン仕様ソアラ
足元をキメたソアラGTツインカム。アウトフォルムを纏ったブリフェン仕様ソアラ!映画シャコタン☆ブギや往年のグラチャン仕様の多大な影響もあり、やたらとステレオタイプな街道レーサー御用達イメージが強い初代10ソアラ。だが、ヤン車人気が高まったのは2代目ソアラ登場で初代の中古相場が大幅に下落した1980年代後半から。実際デビュー当初は、ベンツやBMWとタイマン張れる日本初の高級スペシャリティクーペであり、高嶺の花という存在だった。そんな新車当時のエレガント&ドレッシーの境地を時空を超えて今に伝えるのがこの1台だ。 オールドスクール系ユーロでコアな人気のBBSターボファンが見事に調和した純白のエクステリアは、滑らかなラインで構成されたブリスターフェンダー一体のフルエアロに、ひときわ目を見張る。イマドキの若いハチマル車ファンには未知の存在だろうが、ハイソカー黄金時代を肌で知るミドルエッジ世代は、その美麗なシルエットと「AUTOFORM”のデカールに、懐かしさと高揚感を覚えるに違いないだろう。 実はこの1985年型GZ10ソアラが纏うボディキットは、80年代のエアロパーツ黎明期を風靡した「アウトフォルム」正真正銘の当時モノ。ドイツのAMGやアルピナを意識した本格派の和製チューナーとして脚光を浴びるも、短命で消えた伝説的なブランドだ。その貴重なコンプリートカーの生き残りを数年前に発掘し、アレンジを加えて現代によみがえらせたのが現在のオーナー=東海屈指のソアラマニアとして知る人ぞ知る愛知の「愛三カーフィールド」代表だ。 氏の手に渡らなければ、とうの昔に解体されていた可能性はなきにしもあらず。30年以上の時空を超えたタイムカプセルな80年代スタンスが持つ温故知新フィニッシュは、個体の価値を理解した当時世代のマニアだからこその成せる業だ。 初出:カスタムCAR 2018年9月号 Vol.479 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです) 【画像8枚】ベースカー発売当時の垂涎の的だったブリスターフェンダーを装着したソアラ。5速ミッションで、これまた希少なレノマのウッドコンビステアリングを装着。内外装ともレアパーツで固めるセンスよし。写真じゃ見えないが、オーディオはパナソニックCQ-VX5500D限定黒バージョン
カスタムCAR編集部