「ムカデにかまれて大変なことに。僕が弟で…」”替え玉保険金殺人事件”の裁判 自身の弟になりすました通報内容が明らかに “身代わり”に大学生を殺害した罪に問われ
南波被告と安藤さんは21年2月、愛知県で出会いました。安藤さんが熱心に活動していた団体の勧誘で、南波被告に声をかけたことがきっかけだったといいます。 検察側は事件の半年ほど前からインターネットで「保険金殺人」などと検索するようになったとし、安藤さんを“替え玉”にしたと指摘しました。 裁判では、検察側の証拠調べで、当時の南波被告の119番通報の記録が明かされました。 検察側から示された記録によりますと、21年11月22日午前0時すぎ、南波被告は廿日市市のホテルから119番通報しました。 消防からの問いかけに、南波被告は「窓を開けたらムカデが入ってきて、2人ともさされて、1人が大変なことになっています。まったく意識がなくて呼びかけに反応しない」などと伝えていました。 救急隊の到着まで、心臓マッサージをするよう言われると「やってみます」と、やり方について指示を受けていました。 傷病者との関係を問われ、南波被告が伝えた言葉は…。 「兄弟。僕が弟」 ■消防隊員「傷病者のものとして見せてもらった保険証には南波大祐と書かれていた」 通報を受けてホテルに駆けつけた消防隊員が証人として出廷し、当時の状況について話しました。 【検察側】 ─ホテルの部屋に入ったときの2人の状態は? 「床に倒れている傷病者と、傍らにスマホを置いて心臓マッサージしている被告がいた」 ─収容表には誰の名前が書かれていた? 「倒れた人。南波大祐と書いてあった」 ─救急車の中であなたは何を? 「被告から傷病者との関係性などを聞いた」 ─被告はどう説明した? 「兄弟であるという説明をされた」 ─身分証明書関係で何か見たか? 「保険証を見せてもらった」 ─誰のものを? 「傷病者の方の保険証を見せてもらった」 ─そこに書かれていたのは誰の名前だった? 「南波大祐と書いてあった」 【弁護側】 ─部屋には何人で入った? 「6人で」 ─室内のアルコール臭さは? 「なかったと思う」 ─衣服は濡れていた? 「特にそのように感じなかった」 ─ズボンや下着は? 「濡れている印象はなかった」 ─お酒がかかっているなどは感じなかったということか? 「そう」 ─隊員に心臓マッサージを引き継いだ後の被告人の様子は 「特に一般的で、うなだれているなという感じ」
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