野木亜紀子×土屋太鳳×池田エライザが「海に眠るダイヤモンド」お気に入りシーン語る
「このセリフ、このしぐさが好き!」脚本家が明かすキャラクター別の名演技
野木 「第2話で、百合子の前でジャズを歌うリナがものすごく上手でした! あれをアカペラでサラッと歌うなんて…!」 池田 「あれは野木さんから私への挑戦状だと思っていました。端島音頭についても、最初の打ち合わせで、野木さんと塚原(あゆ子)監督に『任せる』と言われたのを覚えています。その点は、シンガーである母の存在に感謝しました。小さい頃から実際のジャズクラブで歌う姿を見て育ってきたことで、自分の中に表現の引き出しがあったんです」 野木 「百合子は心に迫るお芝居はもちろん、毎回好きな言い回しがあるんです。特に好きなのは、第1話で朝子(杉咲花)に向かって『鉄平が帰るっていうから付いてきちゃった』ってところの、あの独特な動き! 『百合子、コ、コイツっ!』って感じがまさにキャラクターを表現していて、あれは誰にもできない。いつもそういう細かい表現にキャッキャしています」 池田 「普段はいじわるな人じゃないのに、勘違いしてしまいそうになるほどですよね。私も百合子のプリプリしているところと、見ほれさせてくれる美しさの緩急に惑わされています」 野木 「今日は参加がかなわなかったけど、杉咲さん演じる朝子は、実はみんなより年下の設定。それをくんで、杉咲さんがずっと年下感があるお芝居をしてくれていることに、毎回感激しています」
70年の物語を紡ぐキャストが語る、時代ごとの芝居へのアプローチ
野木 「本作は1955年からの長い物語なので、別の時代をまとめて撮ることも多いはず。そんな中、皆さんどんなふうに年代とお芝居を合わせているのでしょうか?」 池田 「リナは時代のトレンドを衣装に入れやすいキャラクターなので、見た目で変化を付けることができました。進平と結ばれて家族ができたあとも、見た目はリナらしい遊び心があっていいよねって」 野木 「衣装からその年代のリナを引き出す感じなんですね。百合子はどうでしたか?」 土屋 「そんなに難しく感じたことはありません。なぜなら、台本がいいから!(笑) 本当にすてきな言葉がたくさん入っているので、あえて年を重ねたように演じる必要がなくて、セリフを感じたままにお芝居しています。野木さんの呼吸が最初にあって、そこに塚原監督と私の呼吸を混ぜながら臨む本番…という感じです。」