国民民主・玉木代表 「トリガー条項」凍結解除が必要な「これだけの理由」
台湾の「ジョイン」のようにSNSを通して一般からの意見を上げる直接民主主義的なプロセスを導入
中川)自民党の問題は、「霞が関シンクタンクにフリーライドしている」ということですよね。国民民主党が今後、連立与党になる可能性もありますが、そのときに自民党における官政との関係と、違うところはあるのでしょうか? 玉木)いま制度化しようと思っていることがあります。例えば総理に対して代表質問をする際に、X(旧ツイッター)やインスタグラム、YouTubeで意見を募集するのです。何万件も来ると思いますが、そのなかから意見を抽出し、総理にぶつけていく。ある種、直接民主主義的なプロセスを導入しています。 飯田)SNSで一般の方から意見を募集して。 玉木)例えば台湾では、オードリー・タンさんが提案した「ジョイン」という行政プラットフォームがあります。そのなかで、女子高生からの訴えによりタピオカミルクのプラスチックストローが禁止になり、紙ストローになったのです。ネットの発展により、かつては難しかった直接民主主義的なアプローチができるようになってきました。例えばスイスでは、5万人くらいの声を集めると、憲法改正の発議を必ず取り扱わなければいけないという制度があります。 飯田)なるほど。 玉木)「業界団体・霞が関経由で国民のニーズやウォンツを集める」というルートそのものを変えていく。国民の意思の届け方に関するイノベーションが本質だと思うのです。 中川)フィルタリング機能も発展させているということですね。 玉木)そこにAIを入れて、より賛同のついた意見を上に上げていくという実験的なこともしています。いまは私が目検で週末にかけ、5000件くらいの意見を全部見ています。 中川)いまは粗いのですね。 玉木)スピードアップさせているところです。 中川)楽しみですね。
覚悟を持って「トリガー条項」凍結解除へ
飯田)現在は臨時国会の最中ですが、会期末になると不信任案がどうなるかという話も出てきます。この辺りについて国民民主党はどう対応していくのでしょうか? 玉木)まずは、全力でトリガー条項の凍結解除を目指します。ガソリン減税による補助金ではなく、値下げを実現していきたいと思います。いままでは総理に予算委員会で質問しても、「駆け込み需要だ、買い控えだ」と、できない理由ばかり述べていました。しかし、この前はそういうことを一切言わず、3党協議を踏まえて「結論を尊重し、私自身が判断する」と明確におっしゃいました。ただ、また同じことを繰り返すのであれば、これまでと同じような岸田政権との付き合い方はできなくなります。我々としても、厳しく追及する姿勢に変わらざるを得ないと思います。 飯田)「トリガー条項の凍結解除ができなかったら、代表を降りる覚悟はあるのですか?」との声をメールでいただきましたが……。 玉木)これは私だけでなく、榛葉幹事長をはじめ幹部も覚悟を持って取り組んでいます。