ソフトバンク先発陣の鍵握る東浜巨、内角への強い球で課題の左打者封じを【評論家の視点】
◆オープン戦・ソフトバンク2―0ヤクルト(6日、ペイペイドーム) 【池田親興氏の視点】 ■盤石すぎる!対外試合8連勝【試合結果一覧】 オープン戦初登板だった東浜は自分のやるべきことをしっかりやっていた印象だ。力のある直球とシンカーを中心に攻めの投球を見せて、予定の4回を61球で無失点に抑えられたことは収穫だろう。先頭打者を四球で歩かせた4回に28球を費やしたのはもったいなかったが、粘ることができたのは大きかった。 課題の左打者にもいい球を投げていた。昨季の被打率は右打者の2割7分1厘に対し、左打者が3割2分。左打者対策には直球やカットボールなどで内角を突き、踏み込ませないことが必要だが、2回1死一塁で宮本を二ゴロに仕留めた内角低めの直球は力強かった。こんな球が投げられれば、外のシンカーなどもより生きてくる。 紙一重の場面もあった。4回2死一、二塁で左打者の武岡を二直に打ち取った球は、真ん中高めに浮いたカットボール。本来は内角にいきたい球が抜けると、打者にコンタクトされやすくなる。ここは打球が野手の正面を突いたが、左打者に「くみしやすし」と感じさせないように、内角の意識を高めていきたい。 先発陣にやや不安があるソフトバンクにとって、実績ある東浜と石川は大きな存在。私もこの2人がキーマンになるのではと考えている。現状では石川が出遅れている分、東浜にかかる期待は大きい。全体的に球が高かった点などをクリアして、考え過ぎずにシンプルにマウンドに上がれる状態に仕上げてほしい。 実戦初登板のモイネロは8回の1イニングだけだったが、手術明けの不安は一切感じさせなかった。最速153キロだった球速はまだまだ上がりそうだし、後は先発としての調整方法だけだろう。救援陣はほぼ万全だった。藤井が3者連続三振を奪い、オスナも余裕の投球。9回を締めた松本裕も「顔」で抑えられるようになってきた印象だ。(西日本スポーツ評論家)
西日本新聞社