岩渕真奈、登坂絵莉が「津田梅子」新紙幣記念イベントに参加!東京体育館で“5000”mリレーも
2004年以来20年ぶりとなった新紙幣発行。7月3日にこれを記念し東京都スポーツ文化事業団と新五千円札の肖像である津田梅子氏が1900年に創立した津田塾大学が共催でイベントを実施した。 ゲストは、元女子サッカー日本代表として11年女子ワールドカップ優勝、12年ロンドン五輪銀メダルなどの実績を持つ岩渕真奈さんと、元女子レスリング日本代表として16年リオデジャネイロ五輪で金メダルに輝いた登坂絵莉さん。世界を股に掛けて活躍した2人が、津田塾大学に通う女子学生らとともに、各分野で女性がさらに活躍していくために受け継ぎたい『未来へのバトン』を考えるトークショーなどを東京体育館で行った。
第1部のトークショーでは、岩渕さんと登坂さん、津田塾大学の髙橋裕子学長、同大学芸学部国際関係学科のマーヤ・ソリドーワル准教授が登壇。冒頭、髙橋学長が津田梅子の功績を紹介すると、登坂さんが「津田梅子さんは信念を持って活動した。自分も女性として頑張るぞと勇気づけられた」と呼応。性別による社会的格差を表す「ジェンダーギャップ指数」で日本が146国中118位と低水準にあることが示されると、登坂さんはレスリング界でも女性の協会役員や女性指導者が少ないという課題があることを指摘し、「レスリング界からもっと改善して、社会にいい影響を与えたい」と、社会変革の一助を担う挑戦者としての意気込みを学生たちに示した。 なでしこジャパンで日の丸をつけて活躍したほか、ドイツのバイエル・ミュンヘン、イングランドのアーセナルなど欧州の有名クラブでもプレーした岩渕さんは、日本と海外の違いについてこのように語った。 「海外では、将来、クラブチームの経営者になりたいという目標を持って移動のバスの中でもオンラインで勉強している選手がいた。パーティーピーポーみたいな子もいるけど、総じて自分に自信を持っている子が多く、自己表現を大切にしている印象だった」 また、約7年間をドイツとイングランドで生活した岩渕さんは海外での苦労について、「19歳の時に初めて行ったドイツでは、自分がクラブ初の外国人選手だったので、向こうの選手からも少し壁があった」とチームになじむために苦心したことを吐露。 「もちろん、溶け込むために語学の勉強はしたが、(秘訣は)いい意味でバカになること。ご飯に誘われたらちょっと行きたくないと思っても行く。普段の自分じゃないかもしれないけど、そこになじむ努力は、たくさんした」と当時を振り返り、自分で工夫した方法で溶け込むためのチャレンジをしたことを明かした。 一方の登坂さんは「海外の選手はすごく楽しそうに練習するという印象がある」と切り出し、具体的な違いとしてこのように言った。 「日本の選手は負けると泣くことが多いけど、海外の選手には少ない。スポーツに人生を懸けるというよりも、人生の中の一つとしてスポーツを捉えているんだろうなと思った」 登坂さんによれば「現役を引退したらお医者さんになりたいという夢を持っている選手もいた」とのこと。競技に打ち込んでいるうちからさらに高い目標を持っているアスリートがいることは、学生たちにとっても刺激になっているようだった。 2人は『未来へのバトン』として、挑戦することの大切さについてさらに語り続けた。 岩渕さんは、「何事も壁を一つ越えることで見える景色が全然違う。一つのチャレンジを楽しむことで、それが女性の地位の向上につながると思うので、積極的にチャレンジしてほしい」と、いずれ女性の未来を変えるかもしれない学生たちに励ましの言葉を送った。 そして、登坂さんは挑戦を継続するためのアドバイスとして、学生たちにこのように語りかけた。 「現役時代はレスリングで勝って人を笑顔にするのがモチベーションだったが、人に喜んでもらえることをやっていきたいという思いは今も変わらない。その目標に向かって何ができるかを逆算して取り組んでいるが、あまりにも完璧を求めてしまうと行き詰まったり挑戦することが怖くなってしまう。完璧を求めすぎずにまずは一歩踏み出して、挑戦してほしい」