「琴奈さんを嫌いって人に会ったことない」女子バレー林琴奈24歳の不思議な魅力とは? 高校時代の恩師「そんな選手がおってもええな、と諦めた」
黙々と仕事をこなし、ガッツポーズも小さめ
もっと主役になってもいいのに。 そう感じてしまう選手だ。林がいるとコートの中がスムーズに回る。サーブレシーブもディグも一級品の守備の要であり、攻撃でも、身長173cmとスパイカーとしては小柄ながら、ブロックの間を高速で抜いたり、吸い込ませたり、思わず「うまい」と唸ってしまうほど巧みに得点を奪う。間違いなく今の日本代表に欠かせないキーマンだ。 だがどちらかというとスポットライトを浴びることは少なく、本人もあまり前に出たがらない。 得点を決めてもガッツポーズはグッと拳を握る控えめなもの。むしろ他の選手が得点した時の方が感情豊かに喜ぶ。 激しいガッツポーズで盛り上げたり、声を張り上げて周りを鼓舞するというタイプではなく、黙々と自分の仕事をこなし、着実にチームのリズムを作る。 「そんな選手がおってもええな、と諦めたんですよ(笑)」と高校時代の恩師である金蘭会高校の池条義則監督が語っていた。 「林の時は、3年生のレギュラーが林ひとりで、あとはみんな下級生でした。当時からうまい子でしたけど、おもてに(リーダーシップを)表現できる子ではなかった。今のスタイルもそうですけど、ウワーッ! と盛り上げたりするんじゃなく、淡々と、ちゃんとやるべきことをやっていく。 でも僕も最初は『お前キャプテンやろ! もっとしゃべれ! 表現しろ! 』と相当怒ったんですよ。でもそれがマイナスで、彼女には負担になってたんかなと。(高3の)夏のインターハイはトーナメント1回戦で敗退でした。『もっと表現しろ! 』とか、できないのにやらせようとして、たぶんまいらせとったんやろうね、僕が。 『声を発しろ! 』と言っても、出えへんもんは出えへん。だから、そうじゃないやつもおってええよな、プレーで見せるキャプテンがおってもええなって、考えるようになりました」 お決まりのキャプテン像に無理にはめ込もうとするのをやめると、林のプレーが見違えるように変わった。その後、秋の国体、1月の春高バレーで二冠を達成した。 「プレーがグワーッと上がってきて、林の奮起のおかげやなという印象がずっと残っています」と池条監督。
【関連記事】
- 【写真】“天才少女”宮部藍梨の姿も…超強かった金蘭会高校時代「日本代表で一緒に戦っているのスゴい!」古賀紗理那、石川真佑、関菜々巳…みんなと仲良しな林琴奈を見る(100枚超)
- 【NEW】「サリナさんは絶対見逃さない」“無敵モード”の古賀紗理那が仲間にも容赦なかった理由…パリ切符までの壮絶12試合「人生で一番必死な大会でした」
- 【石川真佑の怒り】「マユは相当、気合い入ってた」石川真佑から伝わった“怒り”の感情…不完全燃焼カナダ戦の鬱憤晴らした豪快スパイク〈女子バレー五輪決定秘話〉
- 【セッター関の葛藤】「メンタルはズタボロ」屈辱“ベンチ外”宣告に号泣も…先発セッターを外れた関菜々巳25歳が再起するまで「女子バレーパリ五輪決定の舞台ウラ」
- 【話題の人】女子バレー宮下遥29歳が現役引退…“天才少女”が歩んだ15年のバレー人生「私がつぶしちゃった…」今も悔やむ8年前の出来事とは?