「103万円の壁」見直し 広島の街の人は「手取り増える」「雇用しやすくなる」 働く人も企業も賛成多数
広島ニュースTSS
年収が103万円を超えると所得税が発生する年収の壁について、見直しをめぐる議論が国会で進んでいます。 年収の壁の103万円から178万円に引き上げられることによってパート従業員などが手取りの減少を意識して働く時間を抑え、人手不足の解消につながることが期待されています。 働く人たちはどう受け止めているのでしょうか。 【高橋記者】 「年収の壁が見直されることをどう感じていますか。街の皆さんにキキコミます」 【30代育休中】 「今までだったら仕事に復帰したら扶養に入られるように103万におさめて働く。引き上げられるならもっと働ける。保育園に子供を預けないと働けない。保育料は高い。103万円しか稼げなかったら保育料でほとんど消えちゃう。引き上げられたら少しでもプラスになる。保育料を払っても手元に残る金が増える」 【大学2年生アルバイト】 「今年が103万円を突破してしまいそう。がんばって調整している。11月はもう働けない。月に何万円稼ぐか考えて目標金額を達成できたかどうかを、毎月勤務時間を考えながらシフトを申請する。103万円から引き上げられたらもう少し時給が高いアルバイト先を探して時間も金も無理のないように働く工夫ができる。収入が増えるので将来のための貯金、大学生活の費用に充てることができる」 【50代医療福祉の管理職】 「管理者をやっている従業員がパートが103万円を超えられないから働けない方が多いので引き上げはいい。離職率が高いので企業側は働ける条件が緩和される方が雇用しやすい」 【30代会社員】 「勤務時間を制限している」 【30代育休中】 「そうだね」 【30代会社員】 「年末になったら103万円を超えないように。130万円を超えたら国民健康保険の負担が発生、その分払う額が増える。150万円を超えたら配偶者の特別控除が減少する。夫婦のトータルの給料は変わらない。私の控除が減って妻の給料が増える。手取りは変わらないのかな」 働く人たちは、ほとんどの人が年収103万円の壁の引き上げに賛成していました。一方、企業側の意見は…。 帝国データバンクの調査によりますと、企業側は、年収103万円の壁の「引き上げ」と撤廃などの「見直し」をあわせるとおよそ9割が賛成していることが分かりました。 パート従業員などが手取りの減少を意識して働く時間を抑えるため、結果的に人手不足につながっています。そのため今回の「103万円の壁」見直しに期待しています。 国と地方は税収が7.6兆円の減収になります。 手取り額が増える分消費に回って景気が良くなるとの見方もありますが、広島県ではおよそ804億円の住民税の減収が見込まれています。 立場によって意見は異なるようですが…。 【コメンテーター:木村文子さん】(エディオン女子陸上部アドバイザー) 「手取りが増えることによって、市民の幸福度は上がってくると思うが、一方で税収の問題があり、国がどういう政策をとってくれるかが気になるところです」 このあたりのバランスを見ながら、これから議論が本格化していきます。
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