インドネシアでバイオ燃料生産へ 27年プラント稼働、オーシャンが現地企業と基本合意
脱炭素ソリューションを提供するスタートアップのオーシャン(東京都港区)が、インドネシア西ヌサ・トゥンガラ州でバイオ燃料生産プロジェクトを開始する。州政府と連携する現地のスタートアップ企業envmissionとコンソーシアムを結成。年間6万トンの有機廃棄物を熱分解して約2万トンのバイオ炭を生産する計画だ。 【関連写真】駐日インドネシア大使館で行った調印式の様子 プロジェクトでは、プラント設計に来年着手し、2027年の稼働開始を予定。生産したバイオ燃料は石炭代替品として商社や製鉄会社に供給する。 プロジェクトでは、年間5万トン以上の二酸化炭素(CO₂)排出量の削減が見込まれているだけでなく、プラントの稼働で年間2億円以上の地域経済効果が期待されている。プラント稼働に伴う直接雇用に加え、サプライチェーン全体での間接雇用も期待でき、地域経済の活性化に大きく寄与する見通しだ。オーシャンは営業、ファイナンスなど、envmissionは現地における開発、マネジメントなどをコンソーシアム内でそれぞれ担当する。 両社は今回のプロジェクトを皮切りに、インドネシア全土に事業を展開。年間100万トンの廃棄物処理に拡大し、85万トンのCO₂削減を目指している。さらに、パリ協定第6条に基づくカーボンクレジットの創出も視野に入れている。 オーシャンの與那覇航代表取締役は、「約2.8億人の人口と深刻な廃棄物問題を抱えているインドネシアで、現地企業との協業により、実効性の高い環境ソリューションを提供できる」と説明する。 オーシャンとenvmissionは10月下旬、駐日インドネシア大使館(東京都品川区)で基本合意書(MOU)の調印式を開催。両社は今後、インドネシアで脱炭素の加速に向けて連携を強化していく方針だ。
電波新聞社 報道本部