堂本剛、荻上直子監督作『まる』で27年ぶり映画主演 「整えることをやめて崩すイメージ」
堂本剛が27年ぶりに映画主演を務める荻上直子監督作『まる』が、10月に公開されることが決定した。 【写真】虚無の表情を見せる堂本剛(ティザービジュアル キャラクターVer.) 本作は、部屋に帰ると床にいた1匹の蟻に導かれるように描いた○(まる)を発端に、日常が○に浸食され始める男を描いた奇想天外な物語。監督を務めるのは、『かもめ食堂』『彼らが本気で編むときは、』などの荻上。堂本と荻上は本作で初タッグを果たす。 美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている。ある日、通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた○(まる)を発端に、日常が○に浸食され始める――。 堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっているという役どころだ。今回、荻上監督と企画プロデューサーから約2年間の熱烈オファーを受け、「自分が必要とされている役なら」と心を動かされ出演に至ったという。また、2024年にデビュー26周年を迎えたKinKi Kidsとしての顔を持ち、ソロとしても活躍する堂本は、1997年に公開された『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来、27年ぶりの映画主演となる。 あわせて特報映像と2種類のティザービジュアルも公開。特報映像では、日常が○に浸食されはじめ、いつしか○に囚われ始める沢田(堂本剛)の様子が映し出されていく。映像の最後では、襲い掛かる奇妙な出来事に対して、「すごっ」とどこか他人事のような沢田の姿が捉えられている。 メインのティザービジュアルは、沢田が住む街を背景に撮り下ろした写真を使用。巨大な○に飲み込まれそうな堂本演じる沢田の上に、「ある日突然、○が迫ってきた」というキャッチコピーが微妙に歪んだ形で添えられている。 キャラクターVer.のティザービジュアルでは、沢田の虚無感のある表情とすぐ後ろ○が迫ってきている様子が描かれている。 ビジュアルのデザインは、『ミッドサマー』や『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の日本版ビジュアル、荻上監督作『バーバー吉野』『めがね』『トイレット』などのビジュアルを手がけてきた、大島依提亜が担当した。 コメント 堂本剛(沢田役) 主演でお芝居させていただくのは久しぶりです。寝不足で誰のために何のために働いているのかも考えられない毎日を過ごしている主人公の沢田。だから顔色も良くはない、目の下にはクマ、顔の筋肉も動いていない。自分本来の心で人生を柔らかく生きて描きたいままに画を描くこと。これが叶えば良いだけなのに、人は自分を誰かと比べ、審査し、点数のようなものを付ける。孤独だということをそれこそ理解できずにそうしてしまう人も多いのだろう。孤独を感じていなければ人はそうならないだろう。頼んでもいないのに人は人の生き方や道にそうする事で我が身や我が心が安心するのだろう。ならばそれに付き合うこともまた人生か?と、沢田なりに人々の孤独に漂ってみている。きっと正しくないしもはや楽しくもない事はわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかも知れない。そんな沢田を演じるうえでいろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました。共演者の皆様がとても優しく接して下さいました。荻上監督をはじめスタッフの皆様も大変優しく接して下さいました。そのことがいちばん嬉しくて幸せでした。「人は人に優しく生きることができる」を叶え合い大切な一日を繰り返し完成した作品『まる』。 まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて「。」 荻上直子(監督・脚本) 撮影中の1ヶ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした。もし彼のタマシイが見えたら、きっとそんな感じなのだろうと思う。混じり気のないどこまでもどこまでも透明な珠(たま)。
リアルサウンド編集部