今からでも観ておきたい今年の「秋ドラマ」秀作5選、第1位はNHKが手がける話題の教育ドラマ
■ 【4位フジテレビ系『モンスター』(月曜午後10時)】 主人公の神波亮子(趣里)は高校在学中に司法試験にパスするほど頭脳明晰。調査能力もあり、法廷戦術にも長けている。 一方で態度が異様にデカい。弁護士事務所の先輩・杉浦義弘(ジェシー)をパシリに使う。なにより、裁判で勝つなら、何だってする。だからモンスターなのだ。 第2回では自作の詞を盗作扱いされたアイドルグループのセンター・シホ(なえなの)を弁護。この詞は現在、シホが3年前まで所属していた芸能事務所側がつくったことになっていた。 自分の詞であることの証明は難しくないはず。だが、シホは作詞の経緯を一切明かさない。亮子に対し「盗作ということでいい」「謝罪会見する」と告げた。 だが、亮子はシホの意向を無視して調査。シホが高校時代に容姿のことで酷く悩んでおり、上京すると美容整形手術を受けたことを知る。アイドルになったのはその後のことだった。 詞は高3のときに書いたもので、卒業アルバムにもシホの顔写真とともに掲載されていた。しかし、それを証拠にすると、整形前のことが知られてしまう。亮子が沈黙したのはこのためだった。 「いいんですか、盗作したというレッテルを貼られても」(亮子)、「はい」(シホ)。それでも裁判の勝利を目指した亮子は、詞に盛り込まれている風景がシホの故郷のもので、前所属事務所による創作はあり得ないことを立証する。 亮子は勝った。ただし、シホにこう忠告することも忘れなかった。「整形のことは先送りするほどバレたときに負担が大きくなる」 次はミステリー仕立てで肉親愛とは何かを問う物語である。
■ 【3位 TBS『ライオンの隠れ家』(金曜午後10時)】 主人公の小森洸人(柳楽優弥)は茨城県内の市役所で働く実直な青年。同居する弟の美路人(坂東龍汰)はデザイン会社で働くアーチスト。美路人は自閉スペクトラム症(ASD)で社会的なコミュニケーションが困難であるものの、2人で仲良く暮らしていた。 「僕らの日常は凪のように静かだった」(洸人、第1回ナレーション) そんな小森家に「ライオン」と名乗る就学前の少年(佐藤大空)が突如として現れ、「ここで暮らす!」と言い始める。2人の生活は一変した。 洸人はライオンを警察に保護してもらおうと考えるが、止めた。かつて3年間だけ一緒に暮らした異母姉・橘愛生(尾野真千子)の子供がライオンだと思ったからだ。ライオンが持っていたスマホには洸人に向けてなのか「じゃあ、あとはよろしく」とのメッセージがあった。 一方で少年はライオンと名乗り続け、愁人という本名をなかなか明かさなかった。体には虐待と思しき跡がある。愛生の所在も分からない。愛生とライオンには一大事が起きたらしい。洸人は愛生の夫で、山梨県で建築会社を経営する橘家の次男・橘祥吾(向井理)のことを調べ始める。 洸人の身辺も不穏な空気が流れている。謎の男(岡山天音)が洸人の同僚・牧村美央(齋藤飛鳥)を操り、洸人の動きを監視している。 静かな日常を送っていた洸人が、愛生の失踪について調べ始める。ライオンを預かっているのは肉親愛からだ。愛生が洸人を頼った理由も肉親を信じているためだろう。 次はスケールの大きな作品である。