〝ハンターさん いっらっしゃい〟大型鳥獣の捕猟体験ツアー企画 北海道
愛好家を増やして農林被害防止へ
北海道は、エゾシカをはじめとした野生鳥獣を捕獲する担い手の確保へ、2024年度当初予算案で道外の狩猟者を呼び込むための体験ツアーの実施を盛り込んだ新事業を始めると発表した。道内の猟区で道特有の大型鳥獣を捕獲するまでの流れを体験してもらい、狩猟愛好家を増やして鳥獣被害防止につなげる。 鈴木直道知事が同日の記者会見で予算案を発表した。農水省の鳥獣被害防止総合対策交付金との合計で1600万円を計上した「狩猟者育成・確保推進事業」の中で実施する。 道によると、エゾシカでは、捕獲実績のある狩猟者の2割は道外在住で「捕獲数の維持には、道外のハンターが貢献する部分が大きい」(自然環境局)。狩猟者の高齢化も進む中、裾野を広げるため道外の担い手を呼び込むことを狙う。 ツアーは、道外の狩猟免許の所持者や取得希望者が対象。占冠村と西興部村の猟区を会場に、捕獲したエゾシカの解体を指導するなどで実際に狩猟の現場を体感してもらうことを想定する。併せて、首都圏で狩猟の魅力をPRするイベントの実施も計画している。 同事業ではこの他、免許取得後3年程度の道内在住の狩猟初心者を対象に、射撃場で行う射撃技術の向上に向けた研修費用の支援なども行う。 エゾシカやヒグマは道内の推定生息数や農業被害が増加傾向で推移。道は24~26年の3年間を、エゾシカの捕獲強化に取り組む「緊急対策期間」に設定するなどしている。
日本農業新聞